企業は新卒採用の質に満足していない--矢下茂雄・楽天みんなの就職事業長に聞く
2013年新卒(現4年生)の採用は一段落し、主要企業の関心は2014年新卒(現3年生)のインターンシップとなっている。一方、不人気業種の企業や中堅企業は計画通りの採用ができず悩んでいるし、内定を求めて就活継続中の4年生も多い。
2013年新卒採用では就活期間がこれまでより2カ月短縮されたことから混乱が予想されたが、実際はどのような影響があったのだろうか。2013年新卒採用の総括と今後の展望について、矢下茂雄・楽天みんなの就職事業長に聞いた。
--2013年新卒採用は一段落しました。就活期間が2カ月短縮された影響はあったのでしょうか?
みん就は就職意識の高い学生が登録しているので、内定率はほかの調査よりも高めに出る傾向があるが、内定率だけを見ると2カ月短縮の影響は特になかったと言える。内定を取った学生は、高望みをせずに効率的に的を絞った就活をした。冒険をせずに、内定を取りやすいところに応募した。
現時点で内定を獲得できていないのは、就活に取りかかるのが遅かった学生だ。4月中旬以降にみん就へ登録する学生は結構多い。これまで、みん就を知らなかったのか、それとも知っているのに登録しなかったのかわからないが、こうした学生はなかなか内定をとれないだろう。
--学生を採用した企業の感想は?
大手は「とりあえず上手く採用出来た」、という感じだ。昨年は4月に内定を出した企業が6月に内定を出した企業に学生を取られてしまって、再度採用活動をしなくてはならなかった。しかし、今年は大手企業同士の取り合いがないので、とりあえず採用は終了したと言える。大手は夏採用や秋採用をしないだろう。
大手は現4年生の採用ではなく、現3年生のインターンシップで頭がいっぱいだ。4月から本格的に就活を開始した学生は中小企業から内定を取るしかない。