人材のグローバル化におけるリスク--急増する産業スパイと新興国人材

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場合によっては、情報管理者から退職社員へ情報管理について説明するのもいいかもしれません。当該部署の上司がやりづらいことを、人事部や情報担当部署がやるのが良いかと思います。当然これは外国人社員だけの対応ではなく、日本人社員も同様です。

特に管理職や技術専門職の退職については、ハードディスクを一定期間保存するなども有効かもしれません。あとは派遣社員の管理です。派遣会社については会社によって人事部の関与が強い企業とそうでない企業がありますが、これもしっかり関与することが重要かと思います。

日本語を話すアジア人を目の前にすると、「目がキラキラしている。苦学の人だ、きっと良い人に違いない」と日本人は気を許します。グローバル化しているなら、性善説ではいけません。海外現地法人の社員からもっと生の声を聞いたほうが良いでしょうし、日本社会で身につけた嗅覚は役に立ちません。もっと言えば、もし「大企業」で「世界に誇る技術力がある」のであれば「防諜専門部署」があってもいいかもしれません。そういう時代になっている、と言う気がします。

すがい・しんいち
 1973年生まれ。法政大学英文科卒業。外資系IT企業、インド関連コンサルティング会社にて取締役として事業の立ち上げ等を経て、現在はネクストマーケット・リサーチ代表取締役。中小企業診断士。

ネクストマーケット・リサーチ
インド・バングラデシュなど南アジアの企業・金融・経済情報の提供のほか、進出支援コンサルティング、インターネット関連事業などを行っている。
http://nm-research.com

(聞き手:東洋経済HRオンライン編集長:田宮寛之 須貝氏撮影:尾形文繁)

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