アコーディア・ゴルフ株主総会は委任状争奪戦で一部役員候補が大接戦、伝説の「ソニー・マラソン総会」記録の更新が確実に
日本ではあまり例がない、会社側と株主側の委任状争奪戦(プロクシーファイト)で注目されたアコーディア・ゴルフ。6月28日の午前10時から開かれた株主総会は、途中50分の休憩を挟んで対立する議案の集計が行われたものの、一部役員候補者について議決権行使の集計が確定せず、14時10分にいったん議事を中断して解散。夜を徹して集計を進め、明29日午前10時に議事を再開することになった。
再開後の株主総会では、集計結果のみを発表し、質疑応答や緊急動議などは行われないため、正味10分程度で終了する見通し。とはいえ、集計して議長が結果を発表するまでは総会が“続会”しつづけるため、アコーディアの今年の株主総会は足掛け2日、24時間強の超ロングラン総会になることが確定した。1984年1月に行われ13時間30分にも及んだ、伝説の「ソニーのマラソン総会」を数字のうえでは上回る。
アコーディアの株主総会がここまでこじれた発端は、竹生道巨・前社長のコンプライアンス問題にさかのぼる。秋本一郎・前専務が4月17日、竹生氏が親密な女性にからんで会社の経費を不正に使用したと告発したことから一連の騒動が始まった。4月26日には秋本氏の告発に乗る形で、大株主オリンピア(アコーディアの発行済み株式の1.8%保有)を中心に結成された「株主委員会」が、ガバナンス体制刷新を求め、株主総会で選任すべき新役員候補として、秋本氏を含む13名(取締役10名、監査役3名)を提案するに至った(その後、秋本氏ら4名の社内取締役候補は自ら辞退)。
ところが、オリンピアは実は平和(パチンコ・パチスロ大手、東証1部上場)の100%子会社であり、平和はアコーディアの最大ライバルであるPGMホールディングス(東証1部上場)にも80%出資している。コンプライアンス問題の影には、アコーディアとPGMという、ゴルフ場運営2強の「経営統合」問題が横たわっていたことが判明した。
出席株主は昨年比2.5倍、オリンパス、大王製紙を上回る
総会当日の28日、会場となった都内のホテル・ニューオータニに集まった同社の株主は727人(途中退出者等を含む)。昨年の291人(同)に比べ2.5倍にも増え、同じ28日に開催されたオリンパス(372人)や大王製紙(194人)といった、今総会での注目企業を大きく上回った。ちなみにアコーディアは昨年から、総会出席株主に渡す“お土産”を廃止している。