創業100周年の老舗菓子メーカー、カンロが初の直営店を東京駅に出店
今年、創業100周年を迎える老舗菓子メーカーのカンロは、6月28日に東京駅地下の商業施設「GRANSTA」丸の内側に初の直営アンテナショップ「ヒトツブカンロ」を出店する。店内には47種類のキャンデーやグミをそろえ、丸の内で働くOLや観光客をターゲットの中心に据える。
「ヒトツブカンロ」に並ぶ商品はすべて、この店舗のために開発された限定商品だ。当社の主力商品である「カンロ飴」のギフト用商品、チョコレートをかけた「ピュレグミ」など、スーパーやコンビニ向けの商品とは趣の異なる商品が並ぶ。マーケティング統括本部の金井孝至氏によれば、「『こういう商品ができるんですね』という驚きの声がメディアから上がっている」という。
カンロがこのような初めての直営店出店に踏み切った理由は「キャンデーのバリエーションを消費者に知ってもらいたい」(羽田英之取締役・管理本部副本部長兼経営企画室長)ため。近年、スーパーやコンビニでは商品の入れ替わるサイクルが短くなっており、各メーカー間で陳列棚の奪い合いも激しさを増している。そのため、店頭で自社商品の露出を拡大するのが難しくなっている。
低価格化も課題だ。菓子業界での価格競争は依然として激しく、各メーカーは多額の販促費の拠出を迫られている。また、安価な小売の自主企画(PB)商品も陳列棚を拡大。メーカーの独自ブランド(NB)商品によく似た商品も続々と出てきた。価格競争に巻き込まれないためには、高単価でも売れるような差別化された商品が必要。各メーカーは対応を迫られている。