米国で金融業はもう「稼げる」商売ではない ウォール街冬のボーナスに見る苛酷な現実

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だが大手金融機関約30社のデータに基づくジョンソン・アソシエイツの分析を通して見えてくるのは、規制強化や景気の低迷、インターネット志向の新たなライバルとの競争激化に見舞われている金融業界が、今まさに直面している困難だ。

うまみが薄くなった米金融市場

これまで欧州の大手金融機関は経営陣の大々的な刷新や人員削減には消極的だったが、ここに来てそうした発表が相次いでいる。ドイツ銀行やクレディ・スイス、バークレイズの新経営陣は、そろって米金融市場での事業を見直すと述べている。米市場での事業は、10年前には非常にうま味のあるビジネスだった。

なかでも劇的な動きを見せているのがドイツ銀行だ。就任まもないジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)は、今後2年間で全従業員の4分の1近い3万5000人を削減する方針を明らかにしている。

米金融機関の業績は、景気が欧州よりはよかったこともあって全般的には悪くなかった。だが7〜9月期の決算発表を見ると、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどでは減益となっており、アナリストからは営業戦略に批判も出ている。

ジョンソンは「こうした企業ではそのうち、大幅なコスト削減を迫られることになるだろう」との見方を示した。

もちろん、どういった試練にさらされているかは企業によって、また事業分野によって異なる。だがすべての金融機関に多かれ少なかれ影響を与えるような、幅広いトレンドも存在する。

ここ数カ月は中国経済への不安が金融市場に混乱をもたらしており、結果として運用益も伸び悩んでいる。

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