商船三井の株主総会は前期が過去最悪の赤字だった割に、順調に終わる

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Q:所有船と用船はどのように使い分けているのか。

船隊のうち、およそ35%は所有船、65%は船主さんから船を借りて運航する用船という構成になっている。基本的な考え方として、安全運航が強く求められるタンカー、LNG船などは所有船を中心に船隊整備をしている。長期安定契約を増やしていくよう取り組みを強化している。このところ新造船の大量竣工が海運マーケットを押し下げている。12年度、13年度まで大量竣工は続く見込みで、14年度以降は減少する。

Q:減速航海の意味について聞きたい。

船のスピードを倍にすると、使用する燃料は4倍に増加する。逆に言うと、スピードを落として運航すれば燃料を節減することができる。さらに、現在のような船余り状態では、過剰船舶の吸収にも効果がある。

Q:一部報道で商船三井が特別損失150億円を計上するという記事があった。

現在は鉄鋼原料を運ぶケープサイズ船(大型貨物船)の1日当たり市況がとても低い水準にある。ケープサイズのうち70隻は中長期契約だが、30隻が市況にさらされるフリー運航だ。1日当たりの運賃収入は5000ドルというレベルだ。ケープサイズ船を運航するのに必要なコストは1日当たり2万5000ドル程度なので、1日当たり2万ドル程度の損が出ることになる。これはかなり特殊なケースだ。運航することによって発生する損と、処分することによる損とを比較して、損切りした方がよい場合は特別損失を計上して処分することになる。

Q:外部環境が悪いから赤字だ、という経営では困る。

並みの経営ではダメだと考えている。筋肉質な経営にしていくために、中長期契約の比率を高めて行きたいと考えている。安定的な利益は年間500億円程度ある。前期はフリー船の赤字が巨額で、通期でも赤字を計上してしまった。しかし、今後は船の大量竣工が減っていくので、海運市況も徐々に上昇してフリー船でも利益が出せるようになると考えている。

◆商船三井の業績予想、会社概要はこちら

[+画面クリックで詳細チャートを表示]

(広瀬 泰之 =東洋経済オンライン)

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