注意!稼ぐ男にとって結婚は「危ない契約」だ 法律と裁判を知れば、リスクが見えてくる

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歪みが生じる原因は、夫婦・家族観に対する均一な価値観を前提に法律婚が考えられていることだ。男女が共に暮らすのは結婚後であることは当然で、夫が外に仕事に出て稼ぎ、妻は勤めていた会社を寿退社し、専業主婦として家を守る。すぐに子供が生まれ、子育てに追われていく…といった高度経済成長期の家族モデルである。

しかし、かつては一度結婚してしまえば、関係が悪化しても簡単には別居したり、離婚できないという文化があった。現代ではこうした空気は大きく変化し、ハードルは下がっている。また、結婚したからと言って、必ず子どもを作るとは言えない状況も増えてきた。そもそも、前述した通り、かつてのように女性は結婚したら稼ぐことができなくなるというわけでもない。

法律婚は時代遅れな面が出てきている

「結婚制度が社会の変化についていけていないという点は同感です。法律相談に来る方には、自身が高収入で、別居や離婚の問題が起きている場合、婚姻費用について藤沢さんと同じような考え方をしている方も多いですね。そもそも、法律婚と事実婚とで差をもうけ、法律婚制度を特別に保護する意味が現在でもあるのかどうかは、今後真剣に議論が必要なところだと思います」(柳下弁護士)

ライフスタイルや価値観は多様化してきているのに、法律が追いついていない、というのはよく見る光景だが、結婚制度も例外ではない。法律が定めた結婚契約のルールとしてどのようなものが良いか、という議論は置いておくとしても、そもそも現在定められている内容を知らずに、婚姻届に判を押していくという人がほとんどという状況は、問題だろう。

現代において、きちんと働いて毎月のキャッシュフローを生んでいる人が結婚契約を結ぶリスクは、かつてに比べて大きく高まっている。前の時代を生きていた自分の親と同じ感覚で結婚を考えていると、思わぬ苦しみを味わうことになるかもしれない。

関田 真也 東洋経済オンライン編集部

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せきた しんや / Shinya Sekita

慶應義塾大学法学部法律学科卒、一橋大学法科大学院修了。2015年より東洋経済オンライン編集部。2018年弁護士登録(東京弁護士会)

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