高市首相から直筆の手紙「かかとがすべすべになり、驚いています」17年かけて"楽天1位"とった靴下ができるまで

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「『靴下の糸と糸の隙間に米ぬかが入りこめば、米ぬかの栄養分を含んだ靴下ができる』と思ったんです」

すると、和夫さんの思惑どおりに米ぬかが、糸の隙間に入り込んだ。ところが、干して乾かし両手ではたくと、ブワッと粉が舞う……。

米ぬかは、繊維に定着せずに飛び散った。

だが、和夫さんの「米ぬか靴下をつくる」意思は固まった。

和夫さん
農地面積の狭い奈良県は、専業農家だけでは生計を立てることが厳しくなり、農家の副業として靴下製造が広がったという(写真:鈴木靴下提供)

米ぬか研究者との運命的な出会い

和夫さんは、父や社員からの冷ややかな視線を感じながらも、一人で試行錯誤を続ける。2004年、思いどおりにいかないなか、わらにもすがる思いで商工会に相談に行った。すると、思いがけず一筋の光明が差し込む。和歌山県の工業技術センターで米ぬかを研究している谷口久次先生を紹介されたのだ。すぐに谷口先生を訪ね、こう伝えた。

「私、ぬか袋みたいな靴下を作りたいんです」

谷口先生は言った。

「それは……なんとも面白そうだ」

続けて、米ぬか成分の抽出方法を丁寧に教えてくれた。そして、「最後には、絶対に良いものができるよ」「この研究は、絶対に一人で進めなさい。会議は、無難な結論に落とし所を見つけるものだ」と応援してくれたそうだ。その言葉を支えに和夫さんは一人で実験を続けた。

谷口先生と和夫さん
多くの教えと支援をくれた谷口久次先生と(写真:鈴木靴下提供)
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