高市首相から直筆の手紙「かかとがすべすべになり、驚いています」17年かけて"楽天1位"とった靴下ができるまで

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米ぬかには玄米の7割以上の栄養素が含まれ、江戸時代には、石鹸の代わりとして使っていたくらい美肌効果もあるといわれる。和夫さんは小学生の頃、母が手作りした「ぬか袋」で廊下を拭いたら、ピカピカに輝いていたことを思い出した。

そうして25歳になったとき、大阪から来た糸の商社の営業マンにこう話した。

「米ぬかを使った糸を作ったら、どうでしょ?」

しかし、まったく話に乗ってもらえず、夢の話に終わる。モヤモヤを抱えつつ、気づけば35歳。相変わらず、「花形仕事」の担当は番頭さん。地元の同級生は、会社で出世していると聞く。自分は、毎日同じことの繰り返し。「俺だって何かをしたい」

39歳で、やっとゴルフ用靴下を開発した。高評価ではあったが、全国展開の難しさという壁に跳ね返された。それから6年、答えは見つからないまま年齢だけが積み上がっていった。

レーヨンのわた
0.02ミリの穴に米ぬか成分を練り込んだレーヨンのわた(写真:筆者撮影)

「…あっ! これだっ!」

2003年、くすぶる思いを抱えたままの鈴木さんは45歳。ある日、公園のベンチに腰かけ、目の前の砂場で遊ぶ子ども達をぼんやりと眺めていた。靴に砂が入り、砂まみれになる子どもの靴下。お母さんが靴下を必死にはたいて砂を取り除こうとするが、糸と糸の隙間に砂が入り込み、何度振ってもなかなか出てこない。

「……あっ! これだっ!」

急いで工場に駆け戻り、靴下と米ぬかを鍋に放り込み、煮込んだ。根拠など何もない。けれど、確信に近いものがあった。

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