「イーブイ」代表の二見文直氏がこのマンションを訪れたのは、住人から引っ越しの見積もりの依頼が来たからだ。大阪市内での転居を予定していた中国人女性が、荷物の搬出を依頼してきたのである。
そして、部屋に向かうと、冒頭の惨状が目に飛び込んできた。二見氏は話す。
「廊下にあるのは、これから引っ越す依頼主さんの荷物ではないんですよ。ほかの住人たちが放り出しているモノです。しかも、この状況が当たり前になっているようでした」(二見氏、以下同)
依頼主である女性の部屋の中はいたって普通だった。共有部分とは対照的に、室内は整理されていた。ただ、女性は廊下の現状について、とくに気に留めていない様子だった。
小ぎれいな「オフィス街のマンション」がなぜ
マンションが建つ南船場は外国人たちが集まる街ではない。むしろ、小ぎれいなビルが並ぶオフィス街だ。なぜここに、このようなマンションがあるのだろうか。
「オーナーが管理会社に丸投げなんでしょう。加えて高齢オーナーも増えている昨今、現場を見に来ることもほとんどない。それをいいことに管理会社が何もしないんだと思います。日々いろんな物件を訪れていますが、同じような事例は全国的に見ても少なくないです」
入居者の側から見れば、このような物件はどう考えても住みづらい。集合住宅で住居を探す際、「共有部分の管理状況はしっかりチェックすること」というのは鉄則だ。しかし、それは“日本人の感覚”での場合だ。
「外国人にとっては同郷の人がいっぱいいるほうが安心なんだと思います。日本人ばかりのマンションのほうが逆に住みにくいんじゃないですかね」



















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