なぜ旅をしながら稼げるのか…流行語大賞候補にもなった「おてつたび」のビジネスモデル

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

立ちふさがった「現実」をどう乗り越えたか?

こうして、おてつたびを使って地域で働く人は増えてきたものの、地方では移動手段が限られ、交通費負担の大きさや、宿泊場所の確保が難しいなど物理的ハードルも多かった。また、受け入れ側の農家や宿泊業者の中にはITツールの使い方に不安を感じている人も多く、新しいサービスを活用しにくいという状況があった。このような現実が結果的に、地域全体の受け入れ体制を狭めていたのである。

ビジネスモデル3.0図鑑
『ビジネスモデル3.0図鑑』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

だが、そのような現実的問題を乗り越えるべくとった「対応」と、行動による「結果」はこうだった。

対応:自治体や民間企業と連携し、参加と受け入れを支える

移動や宿泊、ITの活用に関する地域側の課題に対し、おてつたびは、自治体や企業と連携しながら一つひとつ壁を乗り越えようと動いた。すると、交通費や手数料の一部を補助する自治体も現れ、高齢の事業者に対しては導入支援を行うなど、地域がサービスを使いやすくする体制が整えられた。また、民間企業とも連携し、移動手段や体験機会の提供も進められることで、参加者と受け入れ先の接点が生まれやすくなっていった。

結果:一度きりでは終わらず、地域との関係が育った

おてつたびで地域と関わった人の約6割が、その後も何らかの形でその地域との関係を続けていて、訪れた土地を再び訪問したり、特産品を継続的に購入したり、中には移住する人も出てきている。旅や仕事をきっかけにしたつながりが、地域の応援者を増やす形で広がって、短期の人手支援にとどまらず、地域と人との新しい関係性を育てる仕組みとして定着しはじめたのだ。ここに、「おてつたび」というビジネスモデルの先進性が見て取れるのである。

●2025年時点のビジネスモデル

行政や企業との連携により、受け入れ先・旅行者・地域が「三方よし」の事業に(図版:KADOKAWA)
近藤 哲朗 図解総研 代表取締役

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こんどう てつろう / Tetsuro Kondoh

東京理科大学工学部建築学科を卒業、千葉大学大学院工学研究科建築・都市科学専攻修士課程を修了後、面白法人カヤックに入社。ディレクターとしてWebサイトやアプリの制作に携わる。2014年、株式会社そろそろを創業、NPO支援を行う傍ら、グロービス経営大学院大学経営研究科経営専攻(MBA)にも通学。2018年刊の初著書『ビジネスモデル2.0図鑑』(KADOKAWA)が10万部突破のベストセラーとなり、「ビジネスモデル図解」で2019年度GOOD DESIGN AWARDを受賞。そして2020年、「共通言語の発明」をコンセプトとするビジュアルシンクタンク「図解総研」を設立し、大手企業・研究機関・行政と共に、ビジネスモデル、会計、共創、環境問題、政策など複雑な仕組みや社会の構造などの可視化に取り組む。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事