なぜ旅をしながら稼げるのか…流行語大賞候補にもなった「おてつたび」のビジネスモデル

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2018年に創業した「おてつたび」は、こうした地域と事業者双方の課題を背景に、「お手伝い」と「旅」を組み合わせた新しい形のマッチングプラットフォームで、地域の短期的・季節的な人手不足に悩む事業者と、報酬を得ながら旅を楽しみたい旅行者を結びつける仕組みを提供している。

最短1泊2日から2カ月までの幅広い募集期間に対応できるため、事業者にとっては観光シーズンに宿泊施設のスタッフが不足する場合や、農家が収穫期に人手を求める場合など、特定のタイミングで労働力を補える点は大きな強みだ。また、旅行者にとっても旅行日程に応じて選択ができるため大きな魅力となっている。

2018年時点のビジネスモデル

どんな地域にも、働き手がすぐに集まる仕組みが構築されている(図版:KADOKAWA)

ただ、創業当初は事業の立ち上げに大きな困難が伴った。「そんなサービスで人が来るのか?」「お手伝い感覚で仕事をされても困る」といった懐疑的な声もあり、受け入れ先の事業者を一つずつ地道に説得してまわる日々が続いたという。当初は旅館など5件の事業者からはじまり、代表が自ら現地に足を運んで制度を説明し、少しずつ信頼を築いていったのである。

「旅をしながら報酬を得る」旅行スタイル

おてつたびの魅力は「旅をしながら報酬を得る」という新しい旅行スタイルを実現している点だ。通常、旅行には交通費や宿泊費などがかかるものだが、おてつたびでは交通費こそ原則自己負担ではあるものの宿泊費は不要で、費用を抑えつつ旅が続けられる。また、単なる観光ではなく、地域の人々と共に働き交流することで、その土地の文化や生活を深く理解できる。通常の観光旅行では得られない「地域とのつながり」を築いたり、訪れた地域に特別な思い入れを抱いたりすることで、将来的に長期的な関係人口へと発展する可能性を持っているのだ。

このように、報酬を得ながら特別な体験を得るという旅行者側の価値と、必要な時期に労働力を確保できる事業者側にとっての価値のかけ算により、地域活性化や継続的な関係人口の創出につながる仕組みとして、おてつたびは注目されている。

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