東レが優良企業に変貌、絶好調の背景は? ユニクロとの戦略的提携はTPPが追い風に

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「2020年度の売上高5兆円」という大目標を掲げるファーストリテイリングであれば、第3期の1兆円について、「5年間でたった1兆円?」という疑問もなくはない。焦点の一つは生産拠点のさらなるグローバル化の推進だ。

「TPPの恩恵をもっとも受けそうなのがベトナム。ハノイ北方を中心に、かなり大きな生産キャパを構築している」

東レ繊維事業本部長の田中英造副社長はベトナムの今後の成長ぶりに期待を込める。東レにとって、今後はTPPや今年中の発足が予定されているAEC(ASEAN経済共同体)をはじめとした、各種の自由貿易協定(FTA)も追い風になる。

これからも「中国生産を基本」(田中副社長)としながらも、「全部一つの国で生産すると、非常にコストがかかる。ASEAN全域はFTAになり、おそらくASEANと中国、日中韓も将来的にFTAになってくる。(今後は)工場を有機的に連携させる(必要がある)」と田中副社長はいう。

情報通信材料・機器部門には課題

ただ、絶好調の東レに死角がないわけではない。最大のネックは情報通信材料・機器部門だ。

同部門は往時、東レの屋台骨を支える最大のプロフィットセンターだった。しかし、繊維や炭素繊維事業が稼ぎ頭に取って代わり、赤字ではないものの、アナリストから常に「情報通信部門をどうするのか」と問いつめられる状況となった。

大型液晶パネルやスマートフォン、タブレット端末などは変化のスピードが速いうえに、価格競争も激しい。素材メーカーの経営スピードに対し、最終製品の変化のスピードが速すぎるのが悩みの種だ。

2014年度にスタートした中期経営計画「プロジェクトAP-G2016」は、来年度が最終年度。「2016年に1800億円の連結営業利益」という目標は計画当初、遠い目標にみえたが、東レはいまや手の届く場所に立っている。

利益水準では一皮むけたように見える東レが繰り出す「次の一手」は何か。それは、繊維、炭素繊維に続く「第3の柱」を育て上げられるかどうかにかかっている。

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