(第51回)中国金融業の動向は日本に大影響を及ぼす

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01年の中国のWTO(世界貿易機関)加盟で、中国政府は金融部門を開放し、06年末までに銀行業の内外差をなくすことを約束した。

04年から06年にかけては、中国の銀行と外資の資本提携が進んだ。工商銀行がゴールドマン・サックスから、建設銀行がバンクオブアメリカから、中国銀行がロイヤルバンク・オブ・スコットランドから、それぞれ出資を受けた。

07年からは、現地法人の設立が続いた。10年末の拠点数は360、資産総額は1・7兆元にまでなった。日本のメガバンクもすべて進出している。ただし、中国の銀行総資産に占める外資系銀行の比率は1・8%と、きわめて低い。

どの金融機関も中国事業の展開に熱心だ。プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が中国の外資系銀行に対して行ったアンケート調査によると、どの国の銀行グループも、1から10の評価段階(10が最高評価)のうち、コミットメントを8以上としている。

金融業の強い規制は将来の自由化が必至

中国事業は、日本の銀行の将来戦略の中でも大きな比重を占める。例えば三菱UFJフィナンシャル・グループの場合、12年5月に発表した中期経営計画(12~14年度)では、アジア域内での粗利益を3年で50%伸ばす目標を掲げた。

外国金融機関が熱心なのは、中国の成長が明らかだからだ。PwCは、早ければ23年までに、中国は米国に代わって世界最大の銀行市場になる可能性があると予測している。日本では、国内の資金需要が伸びないので、海外戦略の重要性はとくに高いと言える。

中国の金融セクターは、銀行、証券、保険のセクター別に管理されている。銀行は、中国銀行業監督管理委員会(CBRC)の監督下にある。

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