消えゆく「日本のシシャモ」と何度も資源回復する「北欧シシャモ」の決定的な違い

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここまで読むと、「産卵期の魚を獲っているのに、なぜ資源は減らないのか」と感じるかもしれません。資源量が減る原因として「産卵期の魚を獲るから」ということが思い浮かぶのも自然です。

しかしながら卵狙いが、必ずしも資源が減って魚が獲れなくなるという原因にはならないのです。その違いが資源管理制度です。北欧や北米など漁業を成長産業にしている国々では、科学的根拠に基づいてTAC(漁獲可能量)を決定します。

そしてTACを個別割当制度(漁業者や漁船ごとに「あなたは何トンまで」と枠を割り当てる制度)で漁業者や漁船に配分していきます。なお、その際に獲り切れない大量の漁獲枠が配分されるなどは論外です。

ただし、その論外のTACが日本では、アジ・サバ・サンマをはじめ多くの魚種で設定されてしまっています。これこそが、資源が減り漁獲量が減り続ける根本的な原因なのです。昨年(2025年)のスルメイカの漁期中の増枠のように、少しでも獲れるようになったらゴールポストを動かしてその分増枠してしまう。

こんなことを繰り返していたら、時間の経過とともにさらに魚が獲れなくなっていくのは当たり前です。そしてなぜ漁業を成長産業にしている国々を参考にしてこなかったのかと悔いることになります。ところが後で気づいても時計の針は元には戻りません。

消えゆくシシャモと何度もV字回復する北欧シシャモ

日本のシシャモ(左)と北欧シシャモ(右) (写真:筆者提供)

上の写真は左が国産で、右が北欧産(アイスランドかノルウェー)のシシャモです。ともに産卵期に回遊してくるシシャモを狙っています。国産のシシャモは北欧産と比べてとてもおいしいのですが、漁獲量が激減して価格が高騰し、手が届かない存在になっています。

アイスランドは今年、資源がV字回復していきますが、禁漁中のノルウェーも必ず回復します。それは、すでに最初のグラフで示している過去の資源推移を見ればわかります。予防的アプローチといって資源が減ってくると禁漁を含めて思い切った資源管理を行って回復を待つのが当たり前となっているのです。

次ページせっかく出てきた芽をつぶしてしまう日本
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事