「G-SHOCK」が10分の1サイズに カシオの『指につける時計』が成熟市場に開けた"意外すぎる風穴"

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グローバルでもECサイトを中心に一部実店舗でも販売している。どんな反響なのか。

「お客さまの好みによって変わりますが、大きく分けてアメリカではデザインに対する評価が高く、欧州は商品のユニーク性、コレクター性を支持する声が寄せられています。アジアではアセアン圏・中華圏ともに小さなメタルへの作り込みを評価いただいています」

一方で改善を求める声もあった。「サイズ調整ができるようにしてほしい」という要望だ。

当初「リング」はサイズ調整がなく、本体サイズは「22号」(内径20㎜)のみだった。フルメタルの一体成形デザインのため、リングそのものの大きさは変えられないが、商品に同梱包されているサイズ調整用スペーサー(中と小)を用意した。これをリング内側にはめ込むと、スペーサー(中)は「19号」、同(小)は「16号」相当になるようにした。

「ナノはリングでのご要望を踏まえて、サイズ調整の自由度を高めました。通常のG-SHOCKと同じように樹脂製バンドにベルト穴とバックルをつけ、リングサイズでは約8号から30号ぐらいまで調整できるようにしています」

「腕」から「指」に変えて可能性が広がった

使う時の消費者意識も関係者にとって新たな気づきとなった。

「例えば『冬は何枚も重ね着をするので、腕時計だと腕まくりして時間を見るのは意外に面倒。指の方がラク』という声もありました。会議中など、露骨に時間を見るのがはばかられるシーンでも『指先ならさりげなく時間を確認できる』という声も寄せられました。

着用箇所としては複数のリングを指につける人もいます。特に“ナノ”はカラフルな色もあるのでアクセントになり、指以外にバッグのショルダーにつけるケースもあります」

G-SHOCK nano
複数の指につけるとこんな感じに。広報宣伝部の長合優希氏にモデルになってもらった(撮影:梅谷秀司)

開発現場の哲学の1つ「成熟市場でも、まだやり残したことがある」を再認識したようだ。

「腕から指に変えるだけで新たな需要が生まれました。つける場所が変わればデザインも変わっていきます。自分で操作できる時計には、まだまだ可能性があると感じました」

G-SHOCKがハードな環境でも対応できる腕時計として定番化したように、指時計も新たな定番となれるか。今後の同社の取り組みにも注視したい。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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