【専門医が解説】健康寿命延ばす《長寿菌》を殺す身近な食材! 100歳まで元気な長寿の腸を調べてわかった秘密とは

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一方で、日常の何気ない習慣が、知らず知らずのうちにその長寿菌を減らしてしまうことがあります。

最も影響が大きいのは、精製された糖質や加工食品の多い食生活です。白いパンや菓子類、清涼飲料水を頻繁に摂ると、血糖値が急上昇し、過剰な糖質が腸内では炎症を起こしやすい悪玉菌の餌となります。その結果、酪酸産生菌やビフィズス菌(長寿菌)が住みにくい環境が作られてしまいます。

また、小麦製品や乳製品の過剰摂取も注意が必要です。グルテンやカゼインは腸粘膜に炎症を起こしやすく、腸内環境が弱っている人ほど、腸のバリア機能を低下させやすいことが報告されています。

さらに、慢性的なストレス、睡眠不足や運動不足は自律神経や腸の蠕動運動、血流を低下させるため、腸内細菌の多様性を損ないます。

長寿菌を守るためには、「何を食べるか」だけでなく、どう暮らすかを含めて腸にやさしい環境を整えることが欠かせないのです。

長寿が続ける「腸にやさしい選択」

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多くの長寿者に共通しているのは、特別な健康法を実践しているわけではないという点です。日常的に、野菜や海藻、豆類、雑穀といった発酵性食物繊維を自然に含む食材を選び、腹八分目を守る食生活を続けています。一方で、甘い菓子や精製された小麦製品、加工食品を日常的に摂り過ぎることはありません。

また、適度に体を動かし、よく眠り、腸を休ませる時間を大切にしています。こうした「腸に負担をかけない選択」を積み重ねることが、結果として長寿菌を守り、健康寿命を延ばしているのです。

医師・管理栄養士の立場からお伝えしたいのは、「腸を整えることは、今の体調を良くするだけでなく、10年後、20年後の未来の自分への投資である」ということです。腸は年齢とともに一方的に衰える臓器ではありません。食事や生活習慣を見直すことで、何歳からでも整え直すことができる、非常に柔軟な臓器です。長寿者に共通しているのは、特別な食品や高価なサプリメントに頼っていることではなく、腸に負担をかけない食事と生活を日常的に続けている点です。

今日の一食、今日の生活習慣が、未来の健康を形づくります。腸を味方につける選択を、できるところから始めてみてください。それが、無理なく健康寿命を延ばす最も現実的な一歩です。

梶 尚志 梶の木内科医院院長、医学博士
かじ たかし / Takashi Kaji

1964年、富山県生まれ。富山医科薬科大学(現・富山大学)医学部医学科卒業。総合内科専門医、腎臓専門医として年間約5万人の患者を診察する中で、通常の診察では解決できない「体の不調」に栄養学的なアプローチから治療と生活指導を行う。

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