地方都市の会社員で、小学校1年生の息子と暮らす30代のBさんは、シングルマザーである。
Bさんは、「母も祖母も大学を卒業後、定年まで正規雇用で働いてきたので、誰でも仕事という生きがいと、子どもを持つという2軸が両立して人生を成り立たせている、と思って育ちました」と話す。小学生の頃から、「仕事をして社会に役立ちたい」「子どもを持ちたい」という2つの願望を矛盾なく持ってきた。
自ら望んでシングルマザーに
そんなBさんが、周りと家族観が違う自分に気づいたのは、10代の頃。「異性と恋愛したことがないわけではないのですが、誰かと一緒に家庭を築き生活を作り上げるイメージが湧かなかったんです」と明かす。
「絶対に結婚しない」と決めているわけではないが、自分の感覚を理解してくれるパートナーに巡り合うのは難しい、シングルマザーになるだろう、とは考えていた。
大学は東京で進学し、経済学部で女性の働き方と子育て支援の関係をテーマに研究。多様な価値観の人と接したが、熟考の末に実家のサポートを受けられる地元で就職した。それは、Bさんがシングルマザーになるための準備でもあった。
Bさんは知人の男性との間で一児を設けた。最初から1人で育てるつもりだったが、息子が将来、自分の父親がどういう人か知りたいと思ったときのために、相手には自身の考え方を理解してもらい、将来的に連絡が取れるようにしているそうだ。妊娠のいきさつは、Bさんの思いをわかっている少数の友人だけに打ち明けている。
ただ、そうしたBさんの感覚を理解してくれる人は少ない。そうでなくても、誰もが結婚して子育てをするもの、と思われている環境である。
高校生の頃、将来的に結婚という選択肢を選ばず、1人で子どもを持つことも考えているという気持ちを打ち明けると、両親から「倫理的にも社会的にも受け入れられない、と激しく否定されました」。その後両親とは長い時間をかけて繰り返し話し合い、今は育児の心強いサポーターになっている。




















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