日本の小説には「静かな日常の美しさ」が描かれている…大好きな小説の"聖地巡礼"で鎌倉へ行ったフランス人夫婦が見つけた「暮らしを愛でる感性」

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「ただ静かに風の音を聞きながら景色を眺めていると『となりのトトロ』のあのシーンを思い出しました。トトロたちがネコバスを待っているあのシーンです」

長いことそこにたたずみ、2人は気づいた。

「ああそうだ、これが僕たちが日本で求めている静けさなんだ、と。禅の心境とかそういうものだと思います。時間をただ流す。自然の音を聞き、山野を見つめる。それだけで十分なんだ、と」

松の並木の絵の前にいるアントニーさん
2人が住むバイヨンヌと、2人の出身地のボルドーを結ぶ道路沿いにはフランス海岸松が並ぶ。ナポレオン3世統治時代に植林された、ヨーロッパ最大級の人口松林があるのだ。その並木の絵の前にいるアントニーさん。「唐津にも、この絵と同じような松の並木がありました」(写真:筆者撮影)

旅で受けた親切に、自分たちを振り返る

「旅の途中でとても親切な男性と出会いました。夜23時頃でしたが、私たちはホテルを探して道に迷っていたのです。彼はホテルに電話をして予約確認をしてくれて、しかもタクシーまで呼んでくれて……本当に助かりました」

今までは、フランスで地図を持った観光客を見かけても「自分たちは無頓着だった」とナデージュさんは言う。

次ページ異国の地で受ける心遣いの嬉しさ
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事