カメに日光浴をさせるときは、飼育ケースの中に風通しと日陰をつくり、環境温度が急激に上がらないようにしなくてはなりません。
種類や大きさ、季節で適切な日光浴の時間は変わりますが、一般的に夏は短め(最長でも数十分)、それ以外の季節、例えば今のような冬であれば数時間は必要です。
カメが日光浴をしている間は、しっかり様子を見てあげましょう。
飼育水やケース内の温度が上がりすぎていないか、カメの呼吸が荒くなっていないか、動きに異変はないか。野外の大きな池ではないのですから、直射日光の下に放置することは禁物です。
温度管理ということでは、野生のクサガメやニホンイシガメのようなミズガメ(水棲・半水棲のカメ)は冬眠します。ただし、飼育下で環境温度が十分に保たれていれば、そのまま冬眠せずに越冬します。これを中途半端な温度で飼ってしまうと、問題が起きます。
冬眠に入れず、かつ代謝を保てるほどの熱もないと、衰弱してそのまま死んでしまうことがあるのです。
冬眠をさせるのかさせないのか、飼い主さんは事前に方針を決めておき、それぞれに合った温度(冬眠させないなら25℃以上)で飼育する必要があります。
転落死する例・脱水死する例
カメがベランダなど高所から転落し、骨折や内臓損傷などで命を落とすという事故もよく起きます。カメは意外と簡単に飼育ケースから脱走しますので、網蓋(あみぶた)や高い壁などをきちんと設けておきましょう。
また、ミズガメ、リクガメ(陸に棲息するカメ)を問わず、脱水をきっかけにしてしばしば体調を崩します。まわりに飼育水があっても、汚れていれば、ミズガメはそれを飲みません。
カメは老廃物を尿酸として排出しますが、脱水が進むと尿酸が結晶化し、臓器に沈着したり腎臓や膀胱で結石になったりするのです。過去にぼくは、食欲低下ののちに死亡した体長約70センチ・41キロのケヅメリクガメの病理解剖で、膀胱内に直径20センチほどの巨大な結石を見つけたこともあります。
今回の依頼者さん(のお子さん)は、「田んぼの脇から連れてきたクサガメを、図らずもゆで殺してしまった」という苦い経験をしたことになります。
その経験を教訓とし、次に迎える動物のために生かしてほしい――。
そんな想いを込めて、ぼくは病理診断の結果をお伝えするとともに、死んだクサガメの体の中で何が起きていたのか、クサガメはどう飼われるべきだったのかを、親御さんに説明しました。

















