「高市首相の"見た目戦略"が成功」「中道はビジュアルも失敗した」 自民党圧勝《有権者の決め手は"見た目"》だった? その驚く中身と根拠

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行動経済学の理論では、人間の判断は2つのシステムに分かれる。「システム1(速い思考:自動的・直感的処理)」と、「システム2(遅い思考:統制的・熟考的処理)」だ。

顔の印象形成は、まさにシステム1の典型例である。時間をかけて熟考するのではなく、瞬時に、自動的に、無意識に判断が下される。

そして重要なのは、有権者は自分が「システム1による判断」をしていることに気づいていないということだ。「私は政策を吟味して投票した」と本人は信じている。しかし、脳は0.1秒で判断を下していた可能性がある。

「顔の魅力度」が当落を分ける決定的要因になりうる

プリンストン大学の研究以降、世界中で同様の研究が行われ、「見た目」の影響が次々と実証された。日本でもいくつか実験されている。

例えば、前述のRIETIは、13年と16年の参議院選挙に出馬した494名を分析。Amazon Mechanical Turkを通じてリクルートした1415名のアメリカ人に候補者の顔写真を提示し、顔の魅力や印象について5点尺度で評価させた。

同時に、オムロン社が開発した顔認証デバイス(OKAO Vision)を使用して、顔の表情を客観的に計測した。

各候補者について、それら顔の評価結果と、性別や当選回数、所属政党といった候補者特性に加え、選挙区定数や立候補者数といった選挙区事情の要素をモデルに組み込み、得票率を従属変数とする回帰分析を行った。

結果は明確だった。

5点尺度で顔の魅力度が1ポイント上昇すると、得票率は5.16ポイント増加する。顔の「表情」や「印象」ではなく、「魅力度それ自体」が影響していた。政治家としての能力とは無関係なのに、有権者は顔の魅力で判断していることが示されたのだ。

これは何を意味するか。例えば、接戦区で得票率が50% vs 50%だった場合、顔の魅力度が1ポイント高いだけで、55.16% vs 44.84%――つまり10ポイント以上の差がつく可能性がある。当落を分ける決定的要因になりうるのだ。

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