「競技一本の人生でいいのだろうか」——大学入試、スポーツ少女が下した決断。偏差値やブランド力より大事にしたもの

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私立と違って国立は共通テストで課される教科、科目数も多い。亜矢子さんが志望する大学は、ネットに出てくる偏差値としては40台の学部もある。

だがこれを、科目数の絞られる私立の偏差値帯と単純に比較することは難しい。ある程度名の知れた国立大学に合格するためには全方位的な力が必要となる。亜矢子さんはオンライン塾の利用も始めたものの、模試の成績はずっとE判定。そのまま、部活動もシーズンに突入してしまう。

そんな中、部活動中に亜矢子さんは骨折の大けがを負ってしまう。しばらくは薬を飲んでも痛みが治まらず、机に長時間向かうことは難しくなっていた。

「そんなに頑張って大学にいかなくてもいいじゃないか」

父親はつらそうな娘の姿を見ると、声を掛けずにはいられない。リハビリをしながら競技を続けようとする亜矢子さんに、祖母も「もう、部活は諦めたら?」と声をかけた。

だが、どうしても、亜矢子さんは2つとも譲る気持ちになれなかった。

幼い頃は母親が引っ込み思案を気にするくらいおとなしい子だった亜矢子さん。決して出しゃばるタイプではないが、冷静なその様子を周りにかわれて、小6の頃からはチームをまとめるリーダー的存在となり、競技を通じていつのまにか、自分の意志を貫く度胸と強さを身に付けていた。

「自分はできる」、そう言って結局、12月半ばまで部活の遠征に参加した。

「レベルを下げないか」と相談されても

1月、共通テストは予想ほどできなかった。だが、亜矢子さんは数学に自信があった。「自分にはできる」、そう話す亜矢子さんを母親も信じていた。

共通テストの自己採点の結果を受けて、学校の教員からは、出願校のレベルを下げないかという提案がきた。だが、目標のある亜矢子さんは強く、譲らない。

「この大学に行くから他は考えていません。志望校は変えません」

母親も後を押す。

「先生、娘はやりますよ。娘にはポテンシャルがあります。先生も娘を信じて応援していただけませんか」

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