1月、共通テストは予想ほどできなかった。だが、亜矢子さんは数学に自信があった。「自分にはできる」、そう話す亜矢子さんを母親も信じていた。
共通テストの自己採点の結果を受けて、学校の教員からは、出願校のレベルを下げないかという提案がきた。だが、目標のある亜矢子さんは強く、譲らない。
「この大学に行くから他は考えていません。志望校は変えません」
母親も後を押す。
「先生、娘はやりますよ。娘にはポテンシャルがあります。先生も娘を信じて応援していただけませんか」
出願したのは、当初の予定の通り、中堅国立大学とMARCHの一大学のみ。2つの大学しか受けないため、スケジュール管理やホテルの手配も楽だった。現役合格を狙う場合、浪人を避けるため、いくつもの出願をする家庭が多い中、2つの大学しか受けないことに母親として不安はなかったのだろうか。
「不安な気持ちはなかったです。たとえ今年、大学に受からなくても、その先でよりよい別の道を目指して進むことができること、そして、それはまた素晴らしいチャンスなんだと捉えていました。
一般的に不合格=ネガティブと考えられがちですが、合格できなかったとしても、これは新たなチャンスが得られることなんだと、ポジティブな要素として考えていたので、受験期に家がピリピリした雰囲気になることもなかったです」(母親)
運命の合格発表は
こうして迎えた試験日。
「行ってらっしゃい」
母親は「頑張れ」などの言葉はかけず、普段通りの様子で送り出した。第一志望の二次試験、亜矢子さんはやりきったという表情で戻ってきた。
先に合格発表の日を迎えたのはMARCHの大学。こちらは届かず、不合格。残すは、国立大学の合格発表のみだった。親子で合格ページを開く。
「あった!お母さん、あったよ!」
と喜ぶ亜矢子さん。
母親も一緒に合格を喜んだ。
学校の先生からも難しいと言われていた一般入試での合格。その予想を超えて、亜矢子さんはしっかりと自身で立てた目標を達成した。
冷たい冬の空気の中で見つけた「合格」の二文字は、これまで手にしてきたどの賞状とも違う。勉強を頑張り、未来を切り拓いた者だけが味わえる、格別な輝きを放っていた。
【2026年2月12日9時30分追記】初出時の表現の一部を修正しました
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