あったか半纏「この品質で5984円、普通のアパレルでは無理?」…輸入衣類が98.5%の時代に"布から日本製"を貫く《久留米はんてん》工場"産地の底力
また、「綿の郷」の半纏は、糸を先に染める「先染め」という製法で作られている。織物は、白い糸で織ったものを後で染めるほうがコストがかからないため、先染めは数が少なくとても貴重だ。桑野さんは「先染めにこだわっていると言いたいところですが、うちは昔から先染めでやっていて、先染めで作る設備しかないからそれをやり続けているという背景もあります」と笑う。
桑野新研産業で使っている織機は耐久性が高いため、部品さえ交換すれば、30~40年前のものでも現役で使うことができるという。
「古い織機は織るスピードがゆっくりなので、生地に多少のゆるみが出ますが、品質を均一化したいので、織機による風合いの差は出さないように心がけています」
今の半纏が軽いのは、綿に秘密があった
前編にも書いたが、この記事の担当編集者さんは半纏に対して「重い」というイメージがあったそうだ。なんでも、おばあちゃんが作ってくれた半纏がとても重かったらしい。
その話を桑野さんにすると、「昔はお母さんやおばあちゃんが、使わなくなった着物に布団の綿を詰めて半纏を作っていました。当時の布団の綿は綿100%で今よりも重かったし、着物の生地も目が詰まっていたので、手作り半纏はずっしりと重みがあったんですよ」と教えてくれた。
しかし、「綿の郷」の半纏はとても軽い。その理由は、中に入っている綿にある。布団用の軽くてふわふわした綿を作っている筑後市の会社に、半纏専用の綿を作ってもらっているのだ。その綿はインドやパキスタンで栽培された特殊な原料から作られていて、従来の綿とは弾力性がまったく違う。昔の布団綿は使っているとすぐペタンコになっていたが、この綿はふっくら感が持続する。
「もしうちの半纏を長く着ているうちにペタンとしてきても、天日干しすることによってふっくら感が復活します。綿繊維は湿気を帯びるとペタンとなるけれど、乾燥するとまたコイル状に波打ってくるからです」(※ただし、綿が入っていないポリエステル100%の中綿の場合は回復しないので注意)


















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