あったか半纏「この品質で5984円、普通のアパレルでは無理?」…輸入衣類が98.5%の時代に"布から日本製"を貫く《久留米はんてん》工場"産地の底力

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当初は製造した商品を問屋に卸していたが、それだけで売り上げを立てるのはなかなか厳しく、輸入品に対抗していくのも難しい。また、当時すでに「問屋無用論」(流通革命によってメーカーから小売店に直接商品を搬送することが可能となり、中間に存在する問屋は無用になるという概念)がささやかれていた。桑野さんは「これからは問屋に卸すだけではダメだ」と、新しい流通の形を模索し始めた。

「そこで2008年、これからの時代を見据えてネット販売に踏み切りました。そうしてできたのがネットショップ『綿の郷』です」

「綿の郷」公式オンラインショップ(画像:綿の郷オンラインショップより)

「綿の郷」は、公式サイト・楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・ギフトモールで展開。桑野さんは製造枚数を上げる体制づくりに注力し、配送や広告は外部の会社にアウトソースした。その結果、2008年から今に至るまで、販売枚数は少しずつ伸びているという。

「特にコロナ禍でステイホームを強いられていた時期は売り上げが伸びました。家にいるからこそ、暖房費を抑えたいというニーズがあったのだと思います」

現在、「綿の郷」ではさまざまな種類の半纏を販売しているが、最も売れているのは5984円の商品(筆者が購入したもの)。柄は、男性用のストライプ柄が一番人気だそう。

糸を染め、織り、加工するところまですべて地元で

経済産業省の『繊維産地におけるサプライチェーン強靱化に向けた対応について』によると、2023年の時点で日本で販売されている衣料品の98.5%は輸入品だ。つまり、日本で私たちが普段着ている衣類のほとんどが海外生産品ということ。

だが、「綿の郷」の半纏は国内生産であるだけでなく、使っている生地も自社生産。織から縫製まで日本製で手がけている。

糸の原材料は輸入品だが、紡績(繊維を紡ぐ作業)は日本の工場で行っている。そうして作られた糸を、桑野新研産業の近所にある「筑後染色協同組合」で染色してもらい、自社工場で織りあげているのだ。生地は織ったままの状態では使えないので、洗浄して加工する「整理加工」という工程があるが、それも「筑後染色協同組合」にお願いしている。

次ページ「先染め」という製法で作られる「綿の郷」の半纏
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