ホテルの窓の明かりを見て、ホテルの空き部屋は究極の在庫だと気づいたんです--森正文・一休社長(第3回)

--ホテル側はなぜOKを出したのでしょう。どのように交渉したのですか。

どうやったら名前も聞いたことのないようなうちみたいな会社と取引してくれるんだろうと考えたとき、やはり仲介に徹することだと思ったんです。どのホテルにも「すべてこちらの自前で、あなたのために作る」と言って交渉しました。

偶然ですが時期もよかった。2000年当時、ITバブルが崩壊し、長銀も潰れた頃でしたから部屋が余っていたんです。1件とれたあとは順調に営業が進みました。ライバルホテルなどに行くと「対抗してやらざるをえないのか」という気になるらしく、次々と話に乗ってくれるんです。

とはいえ、ホテルも最初はネットからお客様が来るなんて信じられなかったようです。あるホテルは意地悪で、一休から来る客はどんな人なのか試そうと、外国人の従業員に英語で接客させたらしいですよ。
 
 でも、そのお客様は三菱商事の人だったらしく、英語で答えられてびっくりしたと言ってました(笑)。結果、いいお客様が集まってホテルも喜んでくださっています。

--ホテルに目をつけてから、順調に道が開けていったんですね。

それでも最初の頃は大変でしたよ。当初は「15万円の部屋を1万円から」といった形でスイートルームのオークションから始めたんですが、ホテルの悩みを聞いているうちに、実は「スイートルームよりも普通の部屋を怒濤のように売りたい」というニーズが見えてきました。そのほうがこちらも儲かるので、途中から一休のコンセプトを今の高級ホテル・旅館に変えたわけです。

そのときにシステム投資と黒字になるまでの費用として1億円が必要となりました。いろいろベンチャーキャピタルを回りましたが、最終的には光通信キャピタルが1億円投資してくれたので何とかなりました。ちなみに、多分うちが光通信キャピタルで唯一成功した会社ですよ。光通信キャピタルには90億円のリターンがあったんですから。

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