イケア「学生たちがレストランで長居…大歓迎です!」 お金をあまり使わない層も受け入れる"超おおらか戦略"の深い狙い

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イケアの「ファン」を育てる哲学

イケアのレストランを訪れると、そこには多様な時間が流れていることに気づく。

「来店頻度は店舗や季節でも様々ですが、レストランの従業員から『毎日来てくださっている方がいるんですよ』と聞くこともありますし、年に1、2回、イベントのように訪れる方もいらっしゃいます」と菊池さん。

こうした多様な顧客の来店頻度や目的を、イケアはその広大な店舗規模を生かして丸ごと受け入れている。

週末のピークタイムこそ混雑への配慮を求めることもあるが、それ以外の時間帯であれば、ドリンクバーを片手に何時間もくつろぐ人々を制限することはない。そこには、家具販売というビジネス特有の「時間の流れ」に対する、極めて合理的な割り切りなのかもしれない。

家具は、引っ越しや買い替えなど、人生の節目であるライフステージが来たときに初めて必要とされるものだ。だからこそ、イケアにとって重要なのは、長い時間をかけてファンになってもらうことなのだろう。

いざお店にやって来たとき、自分の好みの家具があるかどうかも重要だ。モダンでシンプルなデザインを好む人もいれば、クラシックな装飾を好む人もいる。フードにおいても、同様の配慮をしている。

「鶏肉や牛肉など、多様な好みに応じた選択肢を選べるように、どのお客様が来ても、『私の好みがここにあった』と思ってもらうことが、家具においても食品においても、私たちのブレない“志”なんです」

「お腹を満たして、買い物をしよう」。創業者が遺したこのシンプルな哲学は、現代において、イケアブランドの体験価値を高めている。

自分の好みが見つかる豊富な商品ラインナップ、そして未来の顧客である学生たちを温かく見守る寛容さ。一見すると非効率にも思える「居場所の提供」こそが、世界最大の家具販売店を動かす、強力なエンジンなのかもしれない。

【前編】「モーニングは400円から…よし、100円からに変えよう!」 物価高に逆行、モーニングを値下げしたイケア。お得すぎるフードに秘められた賢い戦略
※価格情報は1月上旬時点の情報です。レストランのメニューは予告なく変更、または終了する可能性があります。一部店舗ではサービスが異なる可能性があります。
池田 アユリ インタビューライター

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いけだ あゆり / Ayuri Ikeda

インタビューライター。愛知県出身。大手ブライダル企業に4年勤め、学生時代に始めた社交ダンスで2013年にプロデビュー。2020年からライターとして執筆活動を展開。

現在は奈良県で社交ダンスの講師をしながら、誰かを勇気づける文章を目指して取材を行う。『大阪の生活史』(筑摩書房)にて聞き手を担当。4人姉妹の長女で1児の母。

HP:https://www.foriio.com/amayuri4

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