イケア「学生たちがレストランで長居…大歓迎です!」 お金をあまり使わない層も受け入れる"超おおらか戦略"の深い狙い
イケアの「ファン」を育てる哲学
イケアのレストランを訪れると、そこには多様な時間が流れていることに気づく。
「来店頻度は店舗や季節でも様々ですが、レストランの従業員から『毎日来てくださっている方がいるんですよ』と聞くこともありますし、年に1、2回、イベントのように訪れる方もいらっしゃいます」と菊池さん。
こうした多様な顧客の来店頻度や目的を、イケアはその広大な店舗規模を生かして丸ごと受け入れている。
週末のピークタイムこそ混雑への配慮を求めることもあるが、それ以外の時間帯であれば、ドリンクバーを片手に何時間もくつろぐ人々を制限することはない。そこには、家具販売というビジネス特有の「時間の流れ」に対する、極めて合理的な割り切りなのかもしれない。
家具は、引っ越しや買い替えなど、人生の節目であるライフステージが来たときに初めて必要とされるものだ。だからこそ、イケアにとって重要なのは、長い時間をかけてファンになってもらうことなのだろう。
いざお店にやって来たとき、自分の好みの家具があるかどうかも重要だ。モダンでシンプルなデザインを好む人もいれば、クラシックな装飾を好む人もいる。フードにおいても、同様の配慮をしている。
「鶏肉や牛肉など、多様な好みに応じた選択肢を選べるように、どのお客様が来ても、『私の好みがここにあった』と思ってもらうことが、家具においても食品においても、私たちのブレない“志”なんです」
「お腹を満たして、買い物をしよう」。創業者が遺したこのシンプルな哲学は、現代において、イケアブランドの体験価値を高めている。
自分の好みが見つかる豊富な商品ラインナップ、そして未来の顧客である学生たちを温かく見守る寛容さ。一見すると非効率にも思える「居場所の提供」こそが、世界最大の家具販売店を動かす、強力なエンジンなのかもしれない。
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