イケア「学生たちがレストランで長居…大歓迎です!」 お金をあまり使わない層も受け入れる"超おおらか戦略"の深い狙い

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顧客が店内でゆっくりと食事を楽しみ、リラックスして「今日の買い物はどうしようか」と話し合える環境を作ること。その必要性を、イケア創業者は当時から考えていたのである。

そのため、社内では自社レストランを「ベスト・ソファ・セラー(最高のソファ販売員)」と呼んでいる。フード部門のミッションは、単体で利益を上げること以上に、いかに多くの家具を売るために貢献できるかという点にある。

IKEA 立川
IKEA 立川のソファエリア。社内では自社レストランが「ベスト・ソファ・セラー(最高のソファ販売員)」と呼ばれている(写真:イケア提供)

購買を決定づける「作戦会議」の場

店舗のフロア構成を見れば、その戦略は一目瞭然だ。イケアの大型店舗では、レストランは意図的に「ショールーム(家具展示エリア)」と「インテリア・生活雑貨売り場」および「商品倉庫」の間に配置されている。

IKEA 横浜 レストラン
IKEA 横浜のレストラン。レストランは意図的に「ショールーム(家具展示エリア)」と「インテリア・生活雑貨売り場」および「商品倉庫」の間に配置されている(写真:イケア提供)

広大なショールームを歩き回り、家具を選び抜いて疲れ、お腹が空いた絶妙なタイミングでレストランが現れる。そこで食事をしながら「やっぱりあのソファにしよう、カバーはこの色にしよう」と家族で作戦会議が行われることで、購買の最終決定がなされる。

さらに、レジ後のフードマーケットでは、帰宅した客が家具の組み立てで忙しくなる日の夕食として、手軽に調理できるミートボールなどを販売している。また、一緒に出向いた子どもたちへの配慮も忘れない。

「買い物の終盤で、お子様やご家族がもう疲れたよってなったときにソフトクリームやホットドッグを食べてもらい、最後に笑顔になってもらいたいなと。それで、これらの販売スペースは会計後のエリアに配置しています。レストラン、テイクアウト用のエリアに分けているのは、それぞれの目的が違うからなんです」(菊池さん)

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