イケア「学生たちがレストランで長居…大歓迎です!」 お金をあまり使わない層も受け入れる"超おおらか戦略"の深い狙い

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このようにイケアのフード事業では、顧客が家に帰った後の生活までを先読みしたセットアップがなされているのだ。

IKEA 横浜 ビストロ
IKEA 横浜のビストロ。レジの先に配置されており、ソフトクリームやホットドッグが売られている(写真:イケア提供)

誰が語っても揺るがない「イケアバリュー」の正体

こうした一貫した体験を支えているのが、全従業員に深く浸透した「イケアバリュー」である。

特筆すべきは、採用の段階からバリューが最優先されている点だ。日本を含む各国の拠点で従業員を採用する際、スキル以上に重視されるのが「いかにイケアの価値観に共感できるか」という点だという。同じ目線を持つ人々が集まるからこそ、社内でも社会に対しても一貫した姿勢を保てるのだ。

入社後も、その意識付けは徹底されている。入社初日には、必ずイケアのルーツや文化、価値観についてのセッションが行われる。さらに、月次の報告会や年間の事業計画発表といったあらゆる会議の場でも、必ずビジョンや「デモクラティックデザイン」の考え方がスライドに組み込まれる。

前編でも言及したが、デモクラティックデザインとはイケア独自の製品開発哲学である。優れたデザイン、機能性、品質、サステナビリティ、低価格という5つの要素を指し、これらをすべてバランスよく満たすことがイケアの基準だ。

商品アイデアを形にする社内プレゼンテーションの場では、当たり前のようにこの要素が議題に上がるという。「社内の誰に聞いてもその価値観が頭からスラスラと出てくるほど浸透していますね」と菊池さん。

IKEA Tokyo-Bay
IKEA Tokyo-Bayの外観(写真:イケア提供)
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