「口ごもりながら話す」姿が胸を打つ。墨俣一夜城の築城に一役買った秀長の説得術《大河・豊臣兄弟!》
また秀長は「聞けば、貴方達は長年、野にあって、立身を望んでいないという。しかし、どうかお助けくだされ。この度の大事の計らいは、兄が一身の栄達を望んでいるからではない。(信長が)美濃を平定することは、乱世を収めるための足がかりとなる。是非とも尽力を願いたい」と。
同書が描く秀長像からすると、秀長は立身出世に胸を膨らませたのではなく「乱世を収めるため」に秀吉の「力を借して欲しい」との懇請を聞き入れたように思われます。
同書は、秀長を「朴訥仁義に厚き御仁」と記します。飾り気がなく口数が少ない、そして仁義に厚い人だったというのです。
蜂須賀小六や前野将右衞門は、秀吉は言うまでもないが「御舎弟小一郎様に心ひかれ(惹かれ)」たと言います。よって、終生、秀長と戦陣を共にしたというのです。
秀吉に匹敵する人間的魅力
立板に水のように、スラスラと淀みなく話すのを良しとする風潮が昨今あるように思いますが、朴訥で訥々とした話し方でも、人を惹きつけることがあることを秀長の事例は示しています。もちろん、そこには秀長の真面目さや人柄が加わってのことでしょうが。
秀長はその人間力で諸豪族を魅了したのでした。
(主要参考文献一覧)
・渡辺世祐『豊太閤の私的生活』(創元社、1939年)
・桑田忠親『豊臣秀吉研究』(角川書店、1975年)
・桑田忠親『桑田忠親著作集』第五巻(秋田書店、1979年)
・桑田忠親編『豊臣秀吉のすべて』(新人物往来社、1981年)
・新人物往来社編『豊臣秀長のすべて』(新人物往来社、1996年)
・藤田達生『秀吉神話をくつがえす』(講談社、2007年)
・渡邊大門『秀吉の出自と出世伝説』(洋泉社、2013年)
・柴裕之編著『豊臣秀長』(戎光祥出版、2024年)
・濱田浩一郎『秀吉と秀長 天下統一の軌跡』(内外出版社、2025年)
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