総選挙の論戦は「国内経済オンリー」で「重要な対外政策」は完全スルー? そんな中、静かに検討が進む「対米投資80兆円の第1号案件」とは何か

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「積極財政」が円安を招いて物価上昇を再加速させるのでは、この国全体が貧乏になるだけだ。せめて高市早苗首相が、ドナルド・トランプ大統領のように柔軟に「TACOる」(強硬策を示した後、市場の反応によって撤回したり緩和したりする)ことができればいいのだが、性格的には割とムキになる方であるらしく、それは望み薄なようである。

いや、高市首相への批判は当持ち周り連載欄の相棒である慶應義塾大学大学院の小幡績先生にお任せすることにしよう。ここでは対外政策を論じてみたい。わが国を取り巻く国際環境が厳しさを増す中にあって、総選挙の争点が経済オンリーで、外交・安全保障問題はまったくスルーでいいのだろうか。

実は静かに進んでいる「対米80兆円投資案件選定作業」

前回の「トランプ政権のドンロー主義に流れる米国のDNA」(1月17日配信)でも述べた通り、今の世界はトランプ大統領の「ドンロー(貪狼)主義」外交に大揺れになっている。日本政府はどうするつもりなのか、と問われれば、ほとんどの政党と政治家は思考停止状態なのではないだろうか。

「アメリカ様に踏まれても、ついていきますどこまでも」という合意と覚悟があるのなら、それも良かろう。他方、先般のダボス会議では、カナダのマーク・カーニー首相が大国の横暴を批判し、「ミドルパワーの結集を」と呼びかけて共感を呼んだ。同じミドルパワー国家としての日本は、この訴えにどう応えるべきのか。「おいおい、知らんぷりしてないで、誰か何とか言ってくれよ」と思われてならない。

その間に静かに進んでいるのは、「日米関税合意」に基づく対米投資案件の選定作業である。昨年12月18日には、日米の関係者による初の「協議委員会」が開かれた。この合意を作った功労者、赤沢亮正経済産業大臣がそのことを明らかにしている。昨年夏、トランプ関税を引き下げる見返りとして、日本が約束した5500億ドル、約80兆円の対米投資の準備が着々と進んでいるのだ。

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