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AIで生活が楽になることは何を示すのか?→「深さの経済」の浸透によって、商品・サービス設計は大きく変わっていく

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  • 森 健 野村総合研究所 未来創発センター 未来社会・経済研究室室長
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「深さの経済」が本領を発揮するのは、AIが「個別」ユーザーの嗜好を識別して、何が欲しいかを予測し、レコメンデーションやサービスの個別化がより精密になったときである。

消費者全体を母数にするというよりは、その人の過去の行動全体を母数にしながら、インタラクションを通じて、提供サービスを都度予測・修正していくようなイメージだ。

前述したスティッチ・フィックスのサブスクリプションサービスは「深さの経済」の先進例と言える。

このビジネスの秀逸なところは、返品情報もフィードバックされることだ。

通常のオンラインショッピングでは、「私が何を欲しいのか」についてはプラットフォーマーに情報提供しているが、「私が何を気に入らないのか(欲しいと思わないのか)」については情報提供していない。

それに対して、スティッチ・フィックスの場合は、私が「好むもの」「好まないもの」の両方の情報がフィードバックされるので、AIの予測精度がより早く高まることが期待できる。

「規模の経済」から「深さの経済」へ

工業化社会においては「規模の経済」が支配的だった。莫大な設備投資(固定費)が求められる製造業にとって、同じものを作れば作るほど、1コあたりの生産費用が低下するので、大量に生産し販売することが競争優位性につながるからだ。

次いでインターネットとソフトウェアが登場し、「ネットワークの経済」の重要性が高まった。LINEに代表されるように、ユーザー数が増えれば増えるほど、その利用価値が高まっていくので、いかに多くのユーザーを獲得するかが競争優位性につながった。

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