SFで描かれた未来が現実に? SF作家が70年前に予言していた"監視と統制のディストピア"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

『1984年』は1949年に発表されたディストピア小説で、全体主義国家による徹底した監視と情報統制、歴史の改ざん、思想の統制を描いた作品です。「ビッグ・ブラザーが見ている」という有名なフレーズは、監視社会の象徴として今も使われています。

トランプ政権誕生時に人々がこの小説を手に取ったのは、フェイクニュースや「もう1つの事実(Alternative Facts)」といった言葉が飛び交う状況に、オーウェルが描いた世界との類似性を感じたからでしょう。

SFが鳴らす未来への警鐘

創作のためのエスパー・超能力図鑑
『創作のためのエスパー・超能力図鑑』(玄光社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

SF作品の未来予想を振り返ると、いくつかの興味深いパターンが見えてきます。

まず、技術の進化は予測が難しいということです。スマートフォンやインターネットの普及のように、誰も予想していなかった技術が世界を一変させることもあれば、空飛ぶ車や脳の電脳化のように、「当然実現しているはず」と思われた技術がいまだに実現していないこともあります。

一方で、社会システムや人間の本質に関わる予測は驚くほど的確です。監視社会、情報統制、個人の数値化による管理――これらはSF作家たちが繰り返し警告してきたテーマであり、現在の私たちが直面している現実でもあります。

SF作品は単なる娯楽ではなく、未来への警告であり、問いかけでもあります。「このままで本当にいいのか?」「私たちはどんな未来を望むのか?」と。ルンバの例のように、便利で人々を幸せにする技術もあれば、『1984年』や『PSYCHO-PASS』が描くように、使い方を誤れば人間の尊厳を脅かす技術もあります。

大切なのは、SF作品が描く未来を「当たった」「外れた」と評価することではなく、それらの作品が提示する問題意識を受け止め、私たち自身がどんな未来を創りたいのかを考え続けることではないでしょうか。

技術は中立ですが、それをどう使うかは人間次第です。SF作品は、その選択の重要性を、魅力的な物語を通じて私たちに教えてくれているのです。

西岡 壱誠 ドラゴン桜2編集担当

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事