日本が「太平洋正面」の防衛力強化に踏み出す理由、中国軍が研究する旧日本軍戦略と強まる太平洋進出

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こうしたインフラ整備はF35B、AWACS、将来の無人機など航空戦力との連携を想定している。広大な太平洋で持続的かつ柔軟な行動を可能にするためには、港湾、滑走路、通信といった基盤整備が前提となる。

さらに、太平洋上での対中抑止の切り札となりうるのが、原子力潜水艦の導入だ。中国空母の動きを継続的に追尾・監視する手段として、長期間の潜航能力と高い機動力を併せ持つ原潜は、有力な抑止力になりうる。しかし、海自はディーゼル電気推進方式を採用した通常動力型潜水艦を保有しているものの、原潜は保有していない。

原子力潜水艦の導入が視野?

齋藤聡海上幕僚長は26年1月27日の定例記者会見で、太平洋防衛の強化のための原潜の有用性をめぐる筆者の質問に対し、次のように述べた。

「原子力潜水艦の能力は非常に高いものがある。長く潜り続けられることやスピードが速いことなど、戦術的には格段の能力向上が見込まれる。大臣も述べているとおり、次世代の潜水艦については幅広いオプションがある中で、しっかりと検討していくということでしたので、われわれは潜水艦を含む水上ビークル(艦艇)を持つ専門家として、積極的に関与できるようにあらゆるケースを考えながら、その議論に臨んでいきたいと思っている」

中国海軍の太平洋進出が常態化する中、日本の防衛戦略は従来の延長線では対応が難しい局面を迎えている。太平洋正面での抑止力をいかに確保するのか。原潜を含む将来の戦力構想が、今後の重要な論点となりそうだ。

高橋 浩祐 米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

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たかはし こうすけ / Kosuke Takahashi

米外交・安全保障専門オンライン誌『ディプロマット』東京特派員。英国の軍事専門誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』前特派員。1993年3月慶応義塾大学経済学部卒、2003年12月米国コロンビア大学大学院でジャーナリズム、国際関係公共政策の修士号取得。ハフィントンポスト日本版編集長や日経CNBCコメンテーターなどを歴任。朝日新聞社、ブルームバーグ・ニューズ、 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版、ロイター通信で記者や編集者を務めた経験を持つ。

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