「日本とドイツ」労働時間の差は年間264時間。"属人化"を排除してチームを効率的に回す驚きの仕組み

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担当者が突然代わったとしても、同じ部署のメンバーなら短期間で業務を引き継げるぐらいの粒度に落とし込むことを目指しましょう。

この明文化による可視化・標準化が、チーム全体の業務効率を高め、無駄な時間を削減することにつながります。そして、定時退社しやすい環境づくりに貢献します。

「このプロセスは本当に必要?」

③業務フローに潜む無駄を省く

次はドイツのリーダーが絶えずやっている「無駄を省く」段階に入ります。業務フロー全体を見直し、本当に必要なプロセスかどうかを検討しましょう。不要な会議、承認のプロセス、重複している作業など、改善できる点は意外と多いものです。前のステップで図解した業務フローを俯瞰してみます。

そして、このような質問を、自らに投げかけてみてください。

Q:このプロセスは、最終的な成果(顧客への価値提供、売上向上など)に貢献しているか?
Q:このプロセスは、誰(顧客、社内、特定の部署など)のために存在しているのか?
Q:このプロセスは、もっとシンプル(手順を減らす、承認を簡略化するなど)にできないか?
Q:このプロセスは、手作業ではなく、自動化(ツール導入、システム連携など)できないか?
Q:このプロセスは、ボトルネック(停滞の原因)になっていないか?
Q:このプロセスは、過去の慣習やルールに基づいて行われていないか?

特に最後の質問は重要です。どんな会社にも「チェックリスト」が存在すると思いますが、見直してみると現在の環境にそぐわない、いわば「屍(しかばね)」となってしまった項目があるものです。

業務プロセスも同様に、無駄が潜んでいる可能性が高いのです。これまで明文化されていなかった承認フローなどを重点的に疑ってください。

この業務プロセスを見直し、分析し、改善提案を行う一連の経験は、問題解決能力や論理的思考力を養うことにもなります。

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④チーム内での共有と継続的な改善

そして、最後のステップが、明文化され、無駄を削ぎ落とした業務フローを、チームメンバー全員が理解して、実際に使えるようになることです。せっかく、業務フローを整備しても、それが担当者だけにしか共有されていないと意味がありません。

グループウェアなどを活用して、いつでも、どこでも業務フローをチーム全員が参照できるようにしましょう。また、定期的な見直しも必要です。

一度作成したら終わりではなく、定期的に見直し、改善を図りましょう。

この4ステップで、タスクの属人化は防がれてゆき、チームの生産性向上が図られます。プレイングマネージャーの負担は軽減されて、チーム全員が効率的に働くことができます。そして、定時で業務を終える文化が育まれます。

西村 栄基 ビジネス書作家/ドイツ式リーダーシップ・コーチ

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にしむら・しげき / Shigeki Nishimura

国立大学理系修士課程修了。大前研一氏が学長を務めるBBT大学大学院でMBAを取得。自動車向け半導体部品を扱う商社で31年間にわたり欧州ビジネスに従事し、ドイツ駐在は通算18年。ドイツ企業の自律性と生産性の高さに衝撃を受け、日本企業における働き方と組織運営のあり方に問題意識を持つ。

30代前半での最初のドイツ駐在をきっかけに、成果と余白を両立する「ドイツ流の働き方」を日本の職場で実践。帰国後はMBA取得や脳科学・心理学・コミュニケーション領域への継続的な学びを経て、少数精鋭チームのマネジメントに活かし、残業ゼロ・有休消化率100%で高い生産性を実現する組織づくりに成功した。

2024年に初の著書『ドイツ人のすごい働き方 日本の3倍休んで成果は1.5倍の秘密』(すばる舎)を出版。日本的な「頑張り方」を手放し、自律と信頼で成果を出す働き方を提示した同書は話題となり、続編『ドイツ人のすごいリーダーシップ 上司が3週間休んでもうまくいく最高の仕組み』と合わせてシリーズ累計10万部を突破している。

現在は会社員生活を終えて独立し、ドイツ式の自律型組織・リーダーシップを軸に、経営者・管理職・プロフェッショナル向けの講演、企業研修、エグゼクティブコーチングを国内外で展開。「働くための人生ではなく、人生のために働く」をミッションに、日本と世界をつなぐ知の架け橋となることを目指している。

◎公式サイト→https://shigekinishimura.com/

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