対処法は、「ゆっくり口を閉じるように噛むことを意識する」ことです。ドアを閉める時に、音を立てないように閉めるイメージで顎を動かすことがポイントですね。噛む力の強さは噛む時に口を閉じるスピードの二乗に比例するため、スピードが2倍になれば力は4倍、半分になれば4分の1になります。
顎を意識的にゆっくり動かして噛むことで、食べ物が噛み切れた瞬間を認識でき、勢い余って向かいの歯に強く当たることを防げます。歯に負担をかけない噛み方をすると、自然と噛む回数が増え、満腹中枢が刺激されて食事の量も減ります。
なお、歯が割れないように軟らかい食べ物に変える方もいますが、その必要はありません。変えるべきなのは、食べ物ではなく、噛み方です。歯を残したり、お口の健康を維持したりする意味は、好きな食べ物を好きな人と食べることでもあるわけです。それを諦めるなら、歯を割れなくする意味がないですからね。
夜間の歯ぎしりはマウスピースだけでは防げない
夜間の歯ぎしりや食いしばりは、歯にかかる力の中でも特に制御が難しく、睡眠時の行動なので厄介です。多くの歯医者が、対策として「硬いプラスチック製のマウスピース」を提案しますが、それでは根本的な解決にはなりません。
そもそもマウスピースは「歯ぎしりを止める」ものではなく、すでに起こっている「歯にかかる力を分散する」ためのもの。下顎を横に動かすタイプの歯ぎしり(グラインディング)には多少は有効ですが、垂直方向にグッと食いしばるタイプの歯ぎしり(クレンチング)には効果がありません。つまり、「マウスピースを入れさえすれば解決する」という単純な話ではないのです。本当にやるべき夜間の力のコントロールは、歯ぎしり自体をなくすことです。
夜間の歯ぎしりをなくすための対策は、日中と食事中のコントロールができるようになってから行うべきです。その理由は、どのタイミングで歯に過度な力がかかっているのかを特定することが、適切な対策には不可欠だからです。


















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