「経済成長の正体は借金だった」という不都合な真実 銀行が「何もないところからお金を作る」カラクリ
なぜ成長には借金が不可欠なのか。これを説明するために、登場人物が10人しかいない架空の小さな経済圏「ローン・ランド(債務国)」を想像してみよう。
この国の住人は、全員が貯蓄も純資産も持っていない「ゼロ」の状態からスタートし、それぞれが毎年5万ドルを稼いで消費しているとする。このとき、国全体のGDPは50万ドルだ。
ある日、住人の一人が「もっと食料を買いたい」と考えたとしよう。しかし、彼女には貯蓄がない。他の支出を削らずに食費を増やすためには、どこかから「新しいお金」を調達する必要がある。そこで彼女が銀行から5000ドルを借りたと想定する。
彼女がこの借りたお金を使うことで、この国のGDPは50万5000ドルに増加する。逆に言えば、誰も借金をしなければ、マネーの総量は増えず、支出の増加も、それに伴うGDPの成長も起こり得ない。借入れこそが、経済を成長させるための「余剰資金」をシステムに注入する唯一の方法なのである。
中央銀行が「お札を刷っている」という巨大な誤解
多くの人は、お金を増やしているのは中央銀行だと思っている。しかし、ここには現代経済における最大の誤解がある。
私たちが「お金」と呼ぶものの大部分(マネーサプライ)は、実は財布の中の紙幣ではなく、「銀行預金」である。そして、この預金を生み出しているのは、中央銀行ではなく民間の「銀行による融資」にほかならない。
銀行が10万ドルの融資を行う際、彼らは他人の預金をどこかから移してくるわけではない。
また、金庫から現金を取り出して渡すわけでもない。銀行が行うのは、単にコンピュータの入力を通じて、借り手の口座に「10万ドル」という数字を書き込むことだけだ。


















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