無理が利かなくなる前に心の負担を軽くする技術――義務感は捨ててOK。人気産婦人科医・高尾美穂さんの「家事を手放す」方法
一家の主婦の場合は、急にがんばりをやめると家族も困惑するので、徐々にがんばらなくしていき、その状況に周りにも慣れてもらうのがおすすめです。
多少、掃除をさぼっても、出来合いの惣菜が並んでいても、「それもありだよね」と受け入れられれば、こちらは疲れずにすみますから。今の時代、家事を軽減する家電や外注産業、食材や食事の宅配などのシステムはかなり進んでいます。
そんなものを生活にどんどん取り入れていくのもありです。これからは、年齢や体調、体力に応じた方法を選びながら、楽に暮らすことを目指しましょう。
夫とは疲れない関係性を
主婦が疲れるほどがんばらなくてはいけない状況は、実は、夫側に問題があると思われます。
50代後半を過ぎていれば、そろそろ子どもは独立しているか、同居でもそこまで手はかからないでしょうから、世話を焼く相手は夫だけです。それまでに築いてきた関係性にもよりますが、なかには「妻に世話をしてもらって当然」と思っている、古いタイプの夫もいるのではないでしょうか。
いまだに「男は料理や家事をしないもの」と考えている男性(またはそれを許している妻)に尋ねたいのは、「もし妻が先に病気になり、先立ってしまったらどうしますか?」ということ。
その夫は、そのとき初めて自分でできる家事がないと気づき、困り果てることになるでしょう。地域のコミュニティとも無縁だとしたら、1人になった夫は孤独感にさいなまれるかもしれません。
そうならないためには、妻に健康で機嫌よく過ごしてもらうことがもっとも大事だと、夫に理解してもらいましょう。そこは努力しなくてはなりません。まずはそのことを話し合ってみたらどうでしょう。
男女関係なく、人にやってもらうことより、自分が人にできることを考えた方が、この先の生きがいにもなるのではないでしょうか。
60代以降の男性には、昔の家父長制の名残を引きずっている人もいるようですが、それを許容してきた妻にも責任の一端はあります。この年代になってから夫の考えを変えようと思っても、難しいのです。
でも、方法はあります。
例えば、決まった時間に食事を出さないと不機嫌になる夫の場合。食事をつくるのではなく、ほかの方法で「決まった時間に食事をする」に変えていくというのはどうでしょう。


















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