コア技術を軸に食品以外の開拓を狙う味の素の真意
「技術で世界と戦えるようになりたい。得意なところに集中して、より高い成果を上げていくということをやろうとしている」。味の素の伊藤雅俊社長(=写真=)は語る。他社との一連の提携は、コア技術を生かした新しい事業展開への種まきだ。アミノ酸技術とのシナジー効果が思ったほど発揮できなかったカルピスを、アサヒグループホールディングスに売却した背景もそこにある。
味の素の前2012年3月期は売上高1兆1973億円、営業利益725億円(営業利益率6・0%)、ROE(株主資本利益率)は6.9%となり、7年ぶりに営業利益で過去最高を更新した。さらに現在進行中の3カ年の中期経営計画では、最終年度となる14年3月期の営業利益870億円、ROE8%を達成し、「確かなグローバルカンパニー」への足掛かりを作ることを目標に掲げている。
しかし、世界の主要な食品メジャーは営業利益率10%を超えるなど、はるか上をいく。これを少しでも縮めていくためには、コア技術を本業だけでなく周辺にもいかに生かしていけるかが今後のカギだ。
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(平松 さわみ =東洋経済オンライン)
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