「『ザ・ベストテン』を超える番組はない」「報道番組を変えた」 久米宏さんの番組はなぜ"伝説"となるのか…令和の番組にない「決定的なもの」

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音楽もしかるべきタイミングと審査でランキングを発表するコンテンツが制作できたら、全盛期の「ザ・ベストテン」に近い熱狂を生み出せるのかもしれません。

そして最後に挙げておきたいのは、久米さんと黒柳さんの司会。主役はアーティストと楽曲であるはずの音楽番組でこれほどしゃべる司会者は異例であり、ともに早口であることも含めて、後にも先にも「ザ・ベストテン」のみでしょう。

出演者の中には「ずっとしゃべっている2人の司会者から、いつどんな角度の質問が飛んでくるかわからないため緊張感が凄かった」という人がいたそうです。

しかし、2人のトークにおける本質は、「番組を盛り上げ、アーティストの素顔を引き出し、生放送の間を埋めること」でした。

そのためランクインしながらも出演しないアーティストが多かったときも、2人がトークで埋めるため視聴者が寂しさを感じることはなく、常に明るくにぎやかなムードが番組全体に浸透していたのです。

「軽さ」と「熱さ」の2ステップを実行

ここまで挙げてきた「ニュースステーション」と「ザ・ベストテン」における最大の共通点は、生放送の番組であったということ。久米さんとスタッフが予定調和で終わらせないライブ感を重視していた様子がうかがえます。

さらに両番組のベースとなっていたのは、久米さんの軽やかさと秘めた熱さ。軽やかな語り口で視聴者の心理的なハードルを下げつつ、ニュースも音楽も熱く本質を掘り下げるという2つのステップが実行されていました。

はたして現在の番組やネット動画でこの2ステップが実行されているものはどれだけあるのか。ファクトチェックや批判回避策はもちろん大切ですが、今こそ久米さんのようなスタンスが必要なのかもしれません。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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