「『ザ・ベストテン』を超える番組はない」「報道番組を変えた」 久米宏さんの番組はなぜ"伝説"となるのか…令和の番組にない「決定的なもの」

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それを昭和時代から実践していたことに驚かされますし、「批判を避ける安全運転か、自己顕示欲から持論に偏るか」と言われがちな現在のキャスターに物足りなさを感じる理由なのかもしれません。

コロナ禍のころ、視聴者に訴えかけるようなコメントで一時的な支持を得たキャスターもいましたが、それは安全運転のレベルであり、久米さんのようなジャーナリズムとは別物でしょう。

そんな「権力と距離を取る」という姿勢は、スポーツニュースのプロ野球コーナーにも表れていました。

それまでニュースでは親会社などをチーム名として紹介していましたが、当番組では「ジャイアンツ」「タイガース」「ライオンズ」「バファローズ」などの愛称で呼んでいたのです。

「スポーツはファンや地域のもの」という考え方をいち早く採り入れた先進性とフェアなスタンスは、放送・配信ともに営利ファーストになりやすい現在にこそ必要なものではないでしょうか。

限界まで詰め込んで攻めた生放送

次に触れたいのは、「ザ・ベストテン」にあって現在の番組やネット動画にないもの。

あらためてどのような番組だったかというと、「レコード売り上げ、有線放送リクエスト、ラジオチャート、はがきリクエストの総合ランキング上位10曲をカウントダウン形式で披露していく」という1時間の生放送音楽番組でした。

現在も「CDTVライブ!ライブ!」(TBS系)や「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)という生放送の音楽番組がありますが、そこに日本人の好きなランキング形式を採り入れたことで人気が爆発。

そもそも最高で10曲を紹介するわけですから、他番組にはないスピーディーな進行は臨場感と特別感がありました。現在の生放送番組はゆとりのある構成が多く、ネット動画の生配信はゆったりと行うものが主流だけに、「ライブなのに限界まで詰め込む」というスリリングな構成は現在のコンテンツにないものと言っていいでしょう。

次ページ「THE FIRST TAKE」を上回る緊張感の高さ
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