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「『ザ・ベストテン』を超える番組はない」「報道番組を変えた」 久米宏さんの番組はなぜ"伝説"となるのか…令和の番組にない「決定的なもの」

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  • 木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
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視聴者と同じ目線からさまざまなことを楽しみ、なかでもプロ野球のカープを愛するあまり「ジャイアンツが優勝したら坊主になる」と宣言して無念の丸刈り姿になったエピソードはその1つでしょう。

「権力と距離を取る」からこその発言

そして久米さんと「ニュースステーション」の強みとして、もう1つ挙げておかなければならないのは、権力との適切な距離感。久米さんは政権や大企業などの権力と常に距離を取り、庶民目線から歯に衣着せぬコメントを繰り返していました。

なかでも象徴的だったのは、政権を担う総理大臣や党三役らの大物政治家に対峙したときの姿。まったくひるまないどころか楽しそうに声をかけ、視聴者が聞いてみたいことを率直に聞いていく姿は痛快でした。

時に生放送で怒らせてしまうほど斬り込んだ質問をしたことも含め、庶民の立場から本質に迫ろうとするジャーナリズムこそが久米さんの真骨頂だったのではないでしょうか。

「報道ステーション」の追悼特集で、キャスターが意見を言うことに対する久米さんの見解が紹介されました。

「日本人の1つの欠陥というのは『みんなで同じ方向に向く』というのがまだまだあると思うんですよ」
「久米宏のような一介のタレントがこれだけのことを言うのか。だったらもっと俺も言ってやろう。じゃあ俺ももっと言ってやろうと。あいつも言うんだ。俺も言おう。あいつはこうだ。俺はこうだということで見てほしいんですね。それで僕は言っているんです」。

久米さんはその他のインタビューでも「これだけニュース番組があるんだったら1つくらいキャスターが意見を言う番組があってもいいんじゃないか」「失言は予定どおり」などと語っていました。

「自分のコメントを入り口にして多くの人々に考えてほしい。自分の言葉で語ってほしい」という、批判を含めた反応や反響をイメージした番組制作は、むしろSNS全盛の現在にフィットしている感があります。

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【「ザ・ベストテン」が伝説となった理由】

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