「イスラム国」、パリ攻撃を9月に決断か

反転攻勢に出る「イスラム国」

イスラム国はまた、乗客乗員224人が死亡した10月31日のロシア機墜落でも犯行声明を出している。ロシアはシリアの同組織に対し、独自に空爆作戦を開始していた。

また2人のトルコ治安筋は15日、ロイターに対し、当局が拘束した英国人が、パリで起きたような攻撃をイスタンブールでも計画していた可能性があると語った。

イスラム国はサウジアラビア、米国、ロシアも攻撃すると警告している。

外国での作戦組織

イスラム国の組織は複雑であり、秘密裏に運営されている。大まかに言えば、アブ・バクル・バグダディ容疑者がイスラム共同体の指導者「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)」として組織の頂点に立ち、その下に強力な権限を持つ同容疑者の代理が存在する。また、軍事的・宗教的指導者らから成る評議会があり、同容疑者に戦略や軍事計画についてアドバイスを行っている。

イスラム国は、欧州を含む世界各地から多くのジハーディスト(聖戦主義者)志願者を引きつけているが、一部の欧州諸国による治安強化により、同組織の支配地域への流入が妨げられている。

その対抗策として、イスラム国は中東にある拠点から志願者たちに接触し、「一匹オオカミ」として、もしくは小さな集団を形成して自身が居住する国で独自に攻撃を実行するよう奨励している。

イスラム国戦闘員の1人によれば、休眠している下部組織同士は連絡を取り合わないが、「海外作戦」を指揮する特別組織の攻撃命令には応じるという。

この特別組織の責任者についてはほとんど知られていない。この戦闘員によると、同責任者はヨルダン国籍でシリアとイラクの指導部と緊密に連携し、両国を往来している人物だと語った。この責任者はニックネームでしか知られていないという。

米ニューヨーク・タイムズ紙が欧米当局者らの話として伝えたところによると、パリの容疑者らは実行前にシリアのイスラム国メンバーと通信していたという。

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