近くて遠い「大阪の世界遺産」全貌を拝む過酷条件 世界遺産を"上空100m"から拝む「絶景バルーン搭乗記」…のはずが、まさかの「不搭乗」ルポ

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このフライト、搭乗時間は10~13分ほど、高度はおよそ100m、仁徳陵だけでなく、周辺の大型古墳である履中天皇陵も一望だし、仁徳陵の陪墳(大型の古墳に付随する古墳)である竜佐山、孫太夫山などの小さな古墳群の形もわかる。料金は一般(16歳以上)で4200円(WEB予約で4000円)、また堺市民は3200円となっている。

レゴによる仁徳陵の模型
百舌鳥・古市古墳群のビジターセンターに展示されていたレゴによる仁徳陵の模型(筆者撮影)

このバルーンの運行前は、市では堺市役所の21階展望ロビー(高さ80m)からの眺望を勧めていたが、仁徳陵からは多少距離があり、前方後円墳の形がきれいに見えるかというとちょっと苦しいので、やはり古墳の規模や形態を観察するにはバルーンが最適であろう。

海外でもバルーン観光は大人気

バルーンの運行時間は10時から18時までだが、12月下旬には初めて18時半から20時半まで、大仙公園のライトアップに合わせて4日間、「夜の特別運行」を実施した(筆者が訪れた日曜日は、雨で夜の運行も中止だった)。

なお、筆者は海外では観光用のバルーンに乗ったことがある。もう20年以上前だが、トルコの世界遺産カッパドキアでのことである。ここではバーナーで空気を温めてその浮力で上空に浮遊する熱気球だったため、風の影響を受けにくい早朝の運行が基本で、朝4時半ごろ、まだ暗いうちに宿泊したホテルに運行会社の小型バスが迎えに来て、朝日が昇るころに浮上したことを覚えている。眼下に奇岩が連なり、少し怖さもあったがワクワクが勝った。

サウジアラビア・アルウラで運行されているバルーン
サウジアラビア・アルウラで運行されているバルーン(筆者撮影)

ほかにも、ドバイ(アラブ首長国連邦)、ゴールドコースト(オーストラリア)、バガン(ミャンマー)、セレンゲティ(タンザニア)、アルウラ(サウジアラビア)など、今世界各国でバルーンツアーが行われているが、堺のバルーンは、上空に上がらないと形がはっきりわからない古墳を見るという目的が明確であること、そして古墳の周囲には市街地が広がっており、街を見下ろすという体験ができることが大きな特徴であり、やはり近いうちにリベンジしたいと思わせる魅力があった。

今年4月からは団体ツアーの搭乗も始まる予定であり、より搭乗のチャンスは広がりそうだ。

佐滝 剛弘 城西国際大学教授

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さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、高崎経済大学特任教授、京都光華女子大学教授を歴任し、現職。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

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