近くて遠い「大阪の世界遺産」全貌を拝む過酷条件 世界遺産を"上空100m"から拝む「絶景バルーン搭乗記」…のはずが、まさかの「不搭乗」ルポ
さて、このバルーン運行までには、長い道のりがあった。地元の堺市が上空から古墳群を観るアトラクションの構想を始めたのは世界遺産登録があった2019年である。翌年の2020年の実現を目指したが、この年は年初から新型コロナウイルスが世界的に蔓延し、日本でも「ステイホーム」政策が謳われ、実質的に観光は“消滅”した。
その後の回復期に、市はレジャー施設を運営する民間会社と協定を結び、2023年からの運行に向けて動き出した。しかし、運行開始目前にガスを充填した気球がしぼむというトラブルが発生、しかもその気球メーカーが倒産してしまい、やむなくクラウドファンディングなどで別メーカーの気球を調達、計画から6年の歳月を待ってようやく運行に漕ぎつけたという紆余曲折の物語があったのである。
乗るのに大きなハードルが2つ
運行開始後は順調に客足を伸ばしているが、利用者から見ると、大きなハードルが2つある。1つ目は1回に15人程度しか搭乗できないため、予約が非常に難しいという事情である。バルーンの予約はWEBで搭乗の10日前の深夜0時に始まる。
少し油断していた筆者は、早朝でも予約はできるだろうと、搭乗予定日10日前の朝5時半過ぎに予約サイトを開いてみたら、なんとすべての時間帯で空きがないという状況であった。
何時に埋まってしまったかは定かではないが、予約開始から5時間半後には枠が埋まってしまったのである。搭乗予定日は日曜日だったので、希望者が多かったであろうことが推察できる。仕方なくその翌日、月曜日の予約を今度はしっかり0時の時報とともにサイトに接続し、なんとか11時からの搭乗予約をすることができた。
次のハードルは天候である。雨や強風の日は安全を考慮して運行は休止となる。予約後天気予報を見たら、予約した月曜日は雨マークがついており、やはり前日に搭乗したほうが良いと判断し、暇さえあれば予約サイトのチェックを重ねていたら、日曜日の午後に1枠空きが出たので、こちらも素早く予約をした。この予約は搭乗までは無料でキャンセルもできるので、2日連続の予約を入れて現地へ向かった。
しかし、予報よりも雨が早まり、日曜日の朝、東京からの新幹線の車中からすでに雨。新大阪で新幹線を降り、堺市へ向かう途中でインターネットで当日の運行状況を確認したら「悪天候で中止」という非情な結果であった。この日は乗り場のある大仙公園には向かわず、やむなく別の予定に切り替えた。


















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