海外のお客さんの行動を先取りするような店舗を--ローソン社長兼CEO 新浪剛史

──国内でのコンビニの将来像をどう見ていますか。

百貨店やスーパー、GMS(総合スーパー)、eコマースなどの小売りに外食を合わせると、約160兆円の市場だ。うちコンビニは8兆円で、消費者の生活への関与度はわずか5%しかない。人口減少で市場が140兆円に減っても、今後5年から10年で、コンビニが市場全体の1割程度を占める可能性はある。

そのためにはイノベーションが必要だ。女性や高齢者の客が増える中で、添加物を減らして味の濃さも調整しているが、さらなる革新が必要だ。一つは、高齢者が不自由なく生活できるインフラを提供すること。調剤薬局付きローソンはあるが、もっと健康な人向けの商品、たとえば糖尿病予防の塩分調整商品とかが求められる。

また、タブレット端末が普及する中で、家庭へ商品を届けるeコマースにも取り組んでいる。今後はO toO(オンライン・ツー・オフライン=リアルのコンビニ店舗とバーチャルのネットを結ぶ)の世界で、ナンバーワンになりたい。当社が参加するポイントカード「Ponta」の会員が、4000万人から5000万人へと今後増えていく。これらの会員でローソンを使っている顧客の購買データを分析し、商品発注や次世代の新商品開発に生かす。

さらに、コメや食材を宅配するために、携帯電話やタブレットからのアクセスをもっと容易にする。家から距離的に最も近いリアル店舗であるコンビニが最も有利だ。リアルの信用度があるからネットでも買ってもらえるわけで、そのためには店のレベルを上げなくてはいけない。

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(聞き手:鈴木雅幸、山川清弘 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年6月2日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

にいなみ・たけし
1959年神奈川県生まれ。81年慶応義塾大学卒業後、三菱商事に入社。91年米ハーバード大学経営大学院修了、MBA取得。2000年ローソンプロジェクト統括室長。02年ローソン社長、05年から現職。「農業と産業界のコラボが大切」が持論で、TPP賛成の立場からの発言も多い。

 

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