年収500万円以上の男性を希望しても2割しかいない…結婚に必要な年収が「インフレ」してしまった構造的問題

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以下のグラフは、就業構造基本調査に基づき、妻が20代と30代の場合の夫の個人年収別に夫婦世帯(子無+子有)の数を2012年と2022年の10年間の変化を示したものです。

20代では400万未満、30代では600万未満の年収帯(その年代の中間層)だけが減少していて、むしろ夫の年収上位層に限れば、これだけ全体の婚姻が減少している中でもまったく減ってはいません。

まず、この「経済中間層が結婚できなくなっている」という現実、言い換えれば「結婚するための経済的ハードルが謎に高騰したために、したくてもできなくなった」現実を前提として話を進めていかないとすべてが的外れになります。

どれくらい「結婚のインフレ」が起きているのか

別の視点から見ると、児童のいる世帯は激減していますが、児童のいる世帯あたりの平均年収は増えています。これは、今の子育て世帯は所得増で支援も充実していて「めでたしめでたし」などと悠長な話ではありません。それどころか、経済上位層しか結婚して家族を持てなくなったことの明確な証左と言えるでしょう。当の子育て世帯にしても、「所得が増えたのではなく、夫婦ともに稼がないとやっていけない」と嘆きたいのではないでしょうか。

実態として、2012年から2022年にかけてどれくらい「結婚のインフレ」が起きているかを、就業構造基本調査の夫婦(妻が20代)の所得状況から見ていきたいと思います。それぞれ2012年からの増減率で示します。

これを見ると、同期間の物価(総合)上昇分8%をすべての年収は上回っています。誤解のないように、物価上昇を上回る年収増ではなく、物価を上回る年収でなければ結婚できなくなっていることを意味します。

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