PTA「任意化」する学校増、保護者の満足度上がる傍ら《運営が成り立たない…元に戻そうという動きも》その前に考えたい「コア型PTA」の選択肢

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会費をなくすという選択は、単なるコスト削減ではない。保護者同士の分断を生まないための制度設計そのものだ。

「解散」以外にもPTAの道はある

南町小PTAがコア型として成立した背景には、地域性も大きい。

南町小では以前から、在校生保護者やOB・OGで構成される「父親の会」や、学校を会場に地域のお祭りを運営する「南町小祭実行委員会」など、複数のボランティア組織が活動してきた。水鉄砲大会をはじめ、子どもたちが楽しみにするイベントの企画・運営は、すでに地域の手で継続されていた。

そのため、PTAがすべてを抱え込む必要はなかった。学区内の安全確保場所の周知などは随時行っているが、登校班もなく、役割はもともと限定的だったという。

「PTAは『実働部隊』ではありません。学校・保護者・地域をつなぐ調整役や事務局としての役割に徹しています。団体同士をグループLINEなどでつないで情報がスムーズに流れるようにしたり、イベントの申し込みフォームやチラシを作ったり、学校や地域との調整役を引き受けたりする。そうした“つなぎ役”に徹することで、全体が回るようになりました」

学校との関係性についても、「負担を増やさない」ことを意識している。学校からの要望や課題には柔軟に協力する一方で、情報共有やアンケート対応といった形で、無理のない関わり方を保っている。

また、持続性の面では、「子どもが卒業したら終わり」にしないことも重視している。OBや地域の人が関わり続けられる余地を残し、大人たちが楽しみながら協力する姿を子どもたちに見せる。それ自体が、次の担い手を育てることにつながると考えている。

「人手が足りないから無理やり手伝わせる、という関係は終わりにしたい。大人がそれぞれ得意なことを持ち寄って、前向きに関わっている姿を、子どもたちにしっかり見せたいんです」

南町小PTAが目指しているのは、学校・保護者・地域をつなぐ最小限のハブとして、必要なときに、必要な人が、無理なく関われる状態を保つことだ。

会費、会員という「線引き」をなくし、意思決定を少人数に委ねる。一見すると大胆な改革に見えるが、その根底にあるのは、「PTAを続けるために、PTAを極限まで軽くする」という極めて現実的な判断だ。

実際、全国では担い手不足を理由に解散を選ぶPTAも少なくない。それ自体は一つの合理的な選択だが、南町小の事例は、「解散」以外にも道があることを示している。

もちろん、南町小PTAの形が、そのまま全国の正解になるわけではない。学校規模や地域性、既存の活動状況によって、適した形は当然異なるだろう。

それでも、PTAをやめるか、続けるか。その前に、「どんな関わり方なら続けられるのか」を考える。南町小PTAのコア型モデルは、その問いに対する一つの現実的な答えなのかもしれない。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
長島 ともこ フリーライター&エディター

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ながしま ともこ / Tomoko Nagashima

育児、教育、PTA、暮らしのジャンルを中心に、書籍、雑誌、PR紙、WEB媒体において取材、執筆、企画、編集、講演等の活動を行っている。また、自身のPTA活動や記事執筆を機に、全国のPTA仲間と「PTA・保護者組織を考える会」を立ち上げ、情報発信やイベントの運営、PTAやP連からの相談活動等を行う。

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