PTA「任意化」する学校増、保護者の満足度上がる傍ら《運営が成り立たない…元に戻そうという動きも》その前に考えたい「コア型PTA」の選択肢
「コア型PTAには、会費がない中での運営方法や、代表性、個人情報や保険の扱いなど、工夫すべき点もあります。ただ、近年はコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度、以下CS)が全国的に広がっています。
コア型PTAのコアメンバーが、他の保護者から信任を得る形で代表を選出するなどの工夫をすれば、CSや地域学校協働活動と連携しながら、新しい学校と保護者の関係を築いていくことも可能ではないでしょうか」
練馬区立南町小PTAは、なぜ「コア型」を選んだのか
では、こうした「コア型PTA」は実際に成り立つのか。その実践例として紹介するのが、東京都練馬区立南町小学校(児童数:約370名)PTAだ。形式こそ異なるものの、その運営思想と実態は、下方氏が示す「コア型PTA」と多くの共通点を持っている。
南町小PTAでは、24年度から会員制度と会費徴収を完全廃止。保護者数人のコアメンバーが本部機能を担い、取り組みごとに協力を呼びかける運営に舵を切った。
22年度から同校PTAに関わり、25年度会長を務める吉田基洋氏は、こう話す。
「以前は完全な自動(強制)加入制で、子どもの入学と同時にPTA会員に入会する仕組みでした。ただ、コロナの影響で活動がほとんど止まっていて、その中でPTA関連の書籍やメディア報道などを調べるうちに、『そもそもPTAは何をする組織なのか』『今のやり方を前提に続ける必要があるのか』といった問いが浮かぶようになりました」
同様の問題意識を当時の会長や校長も共有していたことから、23年度には入退会自由を明確化し入会届制を導入した。その結果、加入率は約6割に低下。役員や委員の担い手は一気に減り、「全員参加」を前提とした運営は成り立たなくなった。
多くのPTAであれば、ここから「体制の立て直し」や「負担の再配分」を検討するだろう。だが南町小PTAが選んだのは、「できないことをやらない」という選択だった。
「まず、業務の棚卸しをしました。これまで当たり前にやってきた活動を一つずつ見直し、『少ない人数で運営するには、どんな形が現実的か』を考えたのです」(吉田氏以下同じ)
その結果、24年度から活動は大幅に整理され、クラス委員などの常設委員会は廃止。運営の中心は数人のコアメンバーに集約し、必要な場面でのみ協力を募る形へと移行した。25年度のコアメンバーは、会長の吉田氏以下計3名だ。もっとも、「会長」という名称は、あくまで形式上のものだという。
「学校や外部団体とやり取りをする際には、『会長』という肩書があったほうが話がスムーズに進む場面が多いんです。ただ、それ以上の権限があるわけではありません。私の役割は、学校との調整役をしたり、情報をオープンに発信して透明性を保ったりすること。最小限の人数で組織を回していくための“調整係”のようなものだと思っています」


















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