「裏切り者がいる組織」はやはり全滅するのか? それでも生物の共生関係が絶えない納得の理由

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アリとアブラムシ
「裏切り者」が現れても、生物の協力関係が存続する理由とは?(写真:千花@photography/PIXTA)
アリとアブラムシなど、生物界では別種同士の協力関係が多くみられる。このような共生関係に、協力を行わない裏切り者が登場したら、共生関係は崩壊してしまうのではないか?「進化論」の残された謎を、進化生物学者が新たな理論で解き明かす。
※本稿は、『利己的な生物がなぜ協力し合えるのか』から、一部を抜粋・編集したものです。

アリとアブラムシの共生の関係

生物の世界を見渡すと、血縁とは全く無関係な別種同士の協力(?)関係がたくさん見つかります。いわゆる、共生です。

共生の有名な例は、アリとアブラムシの関係です。アブラムシは植物の師管液を吸い、尻から「甘露」と呼ばれる糖分を含む排泄物として排出します。アリはこの甘露を目当てにアブラムシに随伴し、甘露をとる代わりにアブラムシをテントウムシなどの捕食者から保護します。

師管液には、アミノ酸はほとんど含まれていませんが、アリに随伴されるアブラムシの甘露を分析したいくつかの研究では、アブラムシ自身が体内でさまざまなアミノ酸を合成することで、甘露にはアミノ酸も含まれるようになることがわかっています。アリはアミノ酸含有量が多いほうが、そのアブラムシに随伴しやすく、より強力に保護します。

このような共生関係では、そもそも別の分類群ですから血縁関係など存在しませんが、どうやって進化してきたのでしょうか?

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