近年、日本でも侵入や被害の報告が増えている外来アリ。中でも爆発的な繁殖力を持つのがアルゼンチンアリだ。無数の巣が相互に連携し合う「スーパーコロニー」を築き高度な社会活動を行うアルゼンチンアリの驚異の生態を、気鋭のアリ研究者が解説する。
──近年、日本でも外来アリによる被害が顕在化している原因は。
経済のグローバル化が進み国際物流が盛んになる中で、国と国とを行き来するコンテナや貨物にアリが付着し世界中に広がった。近年、日本では中国経由でヒアリが侵入するケースが多い。米国では1900年ごろからアルゼンチンアリの被害が報告されている。
島国である日本への侵入は比較的遅かったが、私が大学で研究を始めた2005年にはすでに山口県岩国市などでアルゼンチンアリによる被害が顕在化していた。外来種は侵入後20年ほど経つと指数関数的に分布が拡大するとされ、アルゼンチンアリはまさにこの時期を迎えている。
知られざるアルゼンチンアリの生態
──外来アリの最大の特徴は、驚異的な繁殖力にあります。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
ログイン(会員の方はこちら)
無料会員登録
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら